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Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から・恐竜展特別編~第13回/トロオドン類

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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トロオドン類
Troodontidae
特別展

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今回の特別展で複数展示されている小型恐竜です。
目や脳が大きく、最近はそうでもないですが以前よく「最も賢かった恐竜」として紹介されていた連中の仲間ですね^^後ろ足の2本目の指が大きく、これが大きく上に曲げられる点、尾の骨に溝があることなどの特徴が見られます。
かつては非常に賢く獰猛な肉食恐竜としてとらえられることが多かったのですが、近年ではどうやら疑問視されているようです。図録には「雑食または植物食であったことが示唆されている」としてあります。

上記の化石は実物。有名な恐竜の割には実物化石を見る機会は少ないので、これは貴重です。
現在知られた種に含まれるものなのか、新種なのか現在研究中です。

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そしてこちらはレプリカですが、全身骨格として組まれたトロオドン類も観る機会があまりないものです。
手の骨などが欠けているものの、原標本は恐竜時代の最後の当たりのトロオドン類としては、今まで見つかったものの中で最も保存状態がいいものだそうです。特に頭については詳細な情報が得られるかもしれないということで期待が高いのだとか。そういう目で観てみると、レプリカからでも素晴らしい状態なのが窺えます。
同じ時代の地層から既に2種の別のトロオドン類が発見されていることから、オルニソミモサウルス類と同じように、何らかの棲み分けがあったことが考えられます。また、オルニソミモサウルス類と同じように足の甲の骨の真ん中が細くなる特徴もあります。
(2014.1.22追記)
このレプリカのもととなった標本をホロタイプとする記載論文が出ましたね!パンテオンさんにいくつかリンクが貼られています。新属新種としてゴビヴェナトル・モンゴリエンシス Gobivenator mongoliensis という名前がついています。
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顔のアップ。
こうしてみると等高線のような縞模様が入っていますが、それはこの顔のレプリカが3Dプリンタで作られているから!モノ自体の話ではありませんが、必見です!笑

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もうひとつ展示されているトロオドン類、ザナバザル。ホロタイプです。
今回展示されている骨以外にもいくつか化石が見つかっているそうです。しかし美人さんです^^
CTスキャンによる脳の復元によると、脳の大きさと形は始祖鳥よりも鳥類に近いということが去年の8月に判明しています。が、その他の特徴は始祖鳥の方が鳥らしいということで、そのあたりは更に研究が必要だそうです。

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第12回/サイカニア

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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サイカニア
Saichania chulsanensis
特別展

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全身をがっしりとした鎧で覆っている曲竜と呼ばれるグループの中でも北米のアンキロサウルスなどについで大きいとされています。また、恐竜キングというゲームでは主要キャラのひとつとなっていたこともあり、このグループの中でも一般の認知度は高い方でしょう。
実骨による大変見事な全身骨格で、今回展示されているすべての標本の中でも最も見応えのある格好のいい恐竜です。その装甲の美しさから、学名は蒙語で「美しいもの」という意味。さもありなんという感じです。 山の名前から取られているようです。2014.9.8追記
しかし、ちょっとややこしいことになっています^^;

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展示されている標本は全身本物ですが、実は頭の部分と下顎を含むそれ以外の部分は別の個体の骨格です。頭を含む個体がホロタイプです。ホロタイプについては以前こちらでもご紹介しているとおり、ある生き物の基準となる標本です。実はホロタイプに指定されるのは、必ず1個体のみです。即ち、同時に同じ種の個体が複数出て論文に掲載されたとしても、ホロタイプに指定されるのは一つの個体のみなのです。
さて、ここでホロタイプとなっているのは頭の部分の化石の個体の方です。この頭の持ち主の化石は見つかっているということですが、残念ながら上半身だけなのだとか。このため下顎を含むそれ以外の部分は別の地層で発見されたものをくっつけています。で、このホロタイプ以外の部分の骨格は、どうやらサイカニアとは別の種類の可能性が高いのだとか。確かにそう思って見るとちょっと頭でっかちなんですよねこの骨格^^;
サイカニアと言えばこの全身骨格!というぐらい有名なものなので、ちょっとびっくりです。

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尾の部分まで棘があるこの重装備の曲竜さんには今後新しい名前が付けられるのか、ちょっときになるところであります。
ちなみにこの棘、中空になっています。是非会場でご確認を!

このあたり、こちらのblogも是非ご参考に。

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第11回/オルニソミモサウルス類

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オルニソミモサウルス類
Ornithomimosauria
特別展

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実は今回のひとつの軸となっているのが彼らの仲間。
ざっくり言ってしまえばオルニソミムスの仲間と、彼らに近縁な仲間をひっくるめたのがオルニソミモサウルス類という言葉。オヴィラプトル類に対するオヴィラプトロサウルス類というのもおんなじように考えていただければ^^ちなみに日本語表記は、ornithomimosaurusという綴りのthの音を羅語風に読むのか英語風に読むのかで「オルニトミモサウルス」になったり「オルニソミモサウルス」になったりします。今回の特別展ではここは英語読みで統一されているようですね^^学名を羅語風に表記するのか英語風に表記するのかはいつも議論となるところではありますが、個人的には羅語読みを基本としつつも一般に浸透してる表記にすればいいんじゃないかなという気がします。

上の写真のハルピミムスは今回展示されている彼らの仲間の中ではもっとも原始的なもの。ホロタイプです。
手の甲の骨の長さがより進化した種では揃うのに対し、彼らは親指にあたる指の骨が短いことをはじめ尾の骨や肩の骨などの特徴があります。また、最も大きなポイントとして下顎には欠けているものを含めて11本の歯が生えていたようです。より進化した種では嘴になるという話はガリミムスのときにもしましたね!とは言え展示室で確認するのはかなり困難ですが^^;
進化した種と較べても全体のプロポーションはあまり変わりませんが、彼らのプロポーションは原始的な段階からかなり完成されていたとも言えるかもしれません。

ちなみに彼らの名前の意味は「ハルピュイアもどき」。ハルピュイアというのはギリシャ神話に出てくる半人半鳥の化け物…似てる訳がありませんねwww何とかもどきという名前もネタが尽きていることが窺えますwww(詳しくはこちら

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今回の特別展は時代順に並んでおりオルニトミモサウルス類も、だんだんと進化していきます。
次いで登場するガルディミムスはハルピミムスよりもう少し進化したものですが、こいつはまだオルニソミムス類とは呼べません。ちなみにこいつもホロタイプ。
この段階に来て歯は完全になくなります。しかし、脚の特徴(後述)や腰の特徴はまだ原始的な特徴を残しています。

ちなみに名前の意味は「ガルーダもどき」…ガルーダは印度の神鳥ですね^^似てる訳ないじゃん!www

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ガルディミムスの隣りにいるのがまだ名前のついていないオルニソミムス類。でもこれもこれだけ骨が揃っているのでそのうち名前がつくのでは…ということでホロタイプ候補生ですね笑。
オルニソミムス類ですからガルディミムスなどよりは進化している訳ですが、面白いのはガルディミムスと彼らが同じ時代の同じ地域に棲息していたと考えられるということ。これは即ち原始的な生き物とより進化した生き物が共存していたということです。食べ物などにより棲み分けをしていたのでしょうか。興味の尽きないところです。

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ハルピミムスやガルディミムスには見られないけれどもオルニソミムス類に見られるのが足の特徴。もちろんガリミムスでも見ることができます。
上の写真の一番長い3本の骨はヒトで言うと足の甲にあたる部分ですが、真ん中の骨がシュッと細くなっています。これはオルニソミムス類やティラノサウルス類、トロオドン類で見られますが、それぞれ別に進化したと考えられている特徴で、速く走るために発達したと言われています。
展示室でご覧になるときは、是非脚にご注目を!

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第10回/テリジノサウルス

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テリジノサウルス
Therizinosarusu cheloniformis
特別展
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今回の主役はホロタイプでこそありませんが実骨で、こんなものの実骨が観れるなんて…というような代物です。
もしこいつが単体で来ていたらそれだけで目玉になっていたでしょう。デイノケイルスオピストコエリカウディアと並ぶ蒙国の三大謎恐竜と言ってもいいかもしれない。これら3つが並べてあるのだから、今回の恐竜展が如何にクレージーな代物であるかということです(笑)

デイノケイルスが巨大な腕のみ発見されたものであったのに対し、彼らは巨大な爪が他の部分的な骨とともに発見されました。この爪にちなみ「草刈鎌の竜」という意味でテリジノサウルスと名づけられました。発見された部位はいずれもそれまで発見されていたほかの生き物と大きく異なっていたため、様々な仮説が飛び交います。発見された当初はその太い肋骨などから、亀のような姿をしていたのではないかということで、学名でも"cheloniformis"即ち「亀の形をした」というような種名になっています。また、その巨大な爪から超巨大肉食恐竜とする夢のような説もありました。とはいえ、歯の化石が見つかっていませんから、実はそれって結構無理があるのですが(笑)

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つい爪と言ってしまっていますが、これ実は爪ではありません。というか、一般に恐竜の「爪」と言っている部分は実際には爪ではなく、指の一番先の骨です。どうしても尖った形をしているため、そういう言い方の方がわかりやすいということでこの呼び方が通称になってしまっています。爪は体の中では堅い部位ではありますが、実のところサイの角などと同様に化石には残りづらい部位です。本当はこの上に更に大きな爪が覆い被さっていたはずです。それこそ巨大だったはず。

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現在では、他の部位の特徴などからセグノサウルスの仲間ということで一応の決着を見ています(セグノサウルスについてはこちら)。今回の特別展では、セグノサウルスもテリジノサウルスも発見部位が少なく全体像が想像しづらいため、近縁種で化石が多く発見されているアラシャサウルスの復元骨格が来ています(これのみ中国の内蒙古で発見)。
ただしテリジノサウルスが彼らの仲間だとすると、より進化して前肢が身体のバランスの中で大きくなっていますから、これより前肢が大きいイメージです。

と言っても、もっと化石が見つからないことにはわからないことだらけなのですが^^;

実骨で組まれたテリジノサウルスの標本なんて本当にもう二度とは観られないようなとんでもないものです!是非、会場に足を運び、その目で確かめてみてください!

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第9回/ホマロケファレ

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ホマロケファレ
Homalocephale calathocercos
特別展

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今回もまたひっそりとある昔からの有名恐竜のホロタイプ
繰返しになりますが、ホロタイプがこんっなにあるなんて常識的に考えてありえない事態です!

彼らは堅頭竜と呼ばれるグループの仲間です。もう読んで字の如く堅頭竜とは頭の骨が隆起して堅くなっている恐竜の一群です。有名なところだとパキケファロサウルスの仲間。この堅い頭を使って頭突きをしていたのだろうと長く言われて来ていましたが、頭同士を突き合わせると角が目に入るリスクが大きいことや、存外首の骨が脆いところなどから、近年ちょっと?がついています。そうした利用をしないとなると、単なるディスプレイだったのかもしれません。
ホマロケファレは彼らの仲間の中では最も頭の隆起が少なく、平らな頭をしています(そもそも「ホマロケファレ」という名前自体「平らな頭」という意味)。しかも、より進化した仲間では失われた頭の上の方に空いた穴がまだ残っています。こうした特徴から、彼らは比較的原始的な堅頭竜だと考えられています。

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話題が頭に集まりがちな生き物ではありますが、この尻尾もなかなか特徴的で、実際展示を観てみると結構気になります。これは筋肉の一部が骨になったもので、尾の筋肉でこれが起きるのが堅頭竜の仲間の特徴です。比較的古い形を残した生き物とは言え、こうした特徴はきっちり押さえています。

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また、ちょっと見づらいんですが腰の骨を後ろから見てみるとだいぶ左右に幅広な胴体をしていることもわかると思います。横から見るともっとシュッとしてそうなのですが、前や上から見ると結構でっぷりしていたということなのでしょうね。

この仲間はわかっていないことが非常に多いです。基本的にはトリケラトプスやプロトケラトプスを含む角竜に近いと言われていますが…新たな発見があるとそのあたりまた変わってくるかもしれません。
化石がなかなか見つかっていないグループをこうして曲がりなりにも組み立ててあるのを観られるのはめったにない機会ですし、是非お見逃しなく!

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
かはく | コメント:0 | トラックバック:0 |
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