Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から・恐竜展特別編~第9回/ホマロケファレ

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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ホマロケファレ
Homalocephale calathocercos
特別展

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今回もまたひっそりとある昔からの有名恐竜のホロタイプ
繰返しになりますが、ホロタイプがこんっなにあるなんて常識的に考えてありえない事態です!

彼らは堅頭竜と呼ばれるグループの仲間です。もう読んで字の如く堅頭竜とは頭の骨が隆起して堅くなっている恐竜の一群です。有名なところだとパキケファロサウルスの仲間。この堅い頭を使って頭突きをしていたのだろうと長く言われて来ていましたが、頭同士を突き合わせると角が目に入るリスクが大きいことや、存外首の骨が脆いところなどから、近年ちょっと?がついています。そうした利用をしないとなると、単なるディスプレイだったのかもしれません。
ホマロケファレは彼らの仲間の中では最も頭の隆起が少なく、平らな頭をしています(そもそも「ホマロケファレ」という名前自体「平らな頭」という意味)。しかも、より進化した仲間では失われた頭の上の方に空いた穴がまだ残っています。こうした特徴から、彼らは比較的原始的な堅頭竜だと考えられています。

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話題が頭に集まりがちな生き物ではありますが、この尻尾もなかなか特徴的で、実際展示を観てみると結構気になります。これは筋肉の一部が骨になったもので、尾の筋肉でこれが起きるのが堅頭竜の仲間の特徴です。比較的古い形を残した生き物とは言え、こうした特徴はきっちり押さえています。

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また、ちょっと見づらいんですが腰の骨を後ろから見てみるとだいぶ左右に幅広な胴体をしていることもわかると思います。横から見るともっとシュッとしてそうなのですが、前や上から見ると結構でっぷりしていたということなのでしょうね。

この仲間はわかっていないことが非常に多いです。基本的にはトリケラトプスやプロトケラトプスを含む角竜に近いと言われていますが…新たな発見があるとそのあたりまた変わってくるかもしれません。
化石がなかなか見つかっていないグループをこうして曲がりなりにも組み立ててあるのを観られるのはめったにない機会ですし、是非お見逃しなく!

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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オペラなひと♪千夜一夜 ~第五十四夜/失われた歌声を求めて~

さて、平常運転どおりバスに戻ります←平常運転とは

今回の主役はある世代以上のひとたちには大変な人気がありますが、そうではないひとには全くと言っていいほど知名度がないと思われます。というか僕がこの人を知ったのも、高校時代の恩師がその世代のひとで、それはそれは凄かったという話を聞いたからであって、それがなければ今のように必死に彼の音源を捜す努力なんてしてなかったに違いないのです。
そういう意味ではラッキーなんでしょうね…でも、確実に煩悩が1こ増える原因になってます。困った笑。

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Dosifey

ミロスラフ・チャンガロヴィッチ
(Miroslav Čangalović, Мирослав Чангаловић)
1921~1999
Bass
Bosnia

その昔「NHKスラブ歌劇」という大きな公演がありました。私自身詳しい経緯等は知りませんが、オケこそ日本のN響でしたが、合唱はザグレヴの国立歌劇場合唱団、指揮者もマタチッチ、ダノン、ホルヴァートと凄いメンバーで、ギュゼレフをはじめとする独唱陣もみなスラヴ系の名手と言う、なかなかとんでもないイベントです。ノリ的には「NHKイタリア歌劇」のスラヴ版なんでしょうね^^これによりそれまで伊・独歌劇に較べて圧倒的に地味な存在であった露歌劇(+『売られた花嫁』)に光があたった、非常に意義深い公演だった訳です。
その公演で、フォン=マタチッチとともにオペラ・ファンの話題をさらった歌手こそ誰あろうチャンガロヴィッチなのです。

その歌いぶりは豪放磊落として演技に寄ったもので、当時の日本では古の大歌手「シャリアピンの再来」と喧伝されたといいます。歌ったのはこの時が日本初演だったА.П.ボロディン『イーゴリ公』のコンチャク汗とガリツキー公、それに当代随一の当たり役とされたМ.П.ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』の題名役。眼光鋭いチャンガロヴィッチの大立ち回りが多くのファンを魅了したそうです。名匠マタチッチが指揮した『ボリス』はNHKで繰り返し放送され、劇場に行くことのできなかったひとびとの渇を癒したと言います。

と・こ・ろ・が、、、

何処かの段階でNHKは再放送をやめてしまい、それ以降日の目を見ていないようです。「イタリア歌劇」のいくつかの伝説的公演が映像や音源として入手できるようになった現在になっても、「スラブ歌劇」の記録が登場する気配はありません。アーカイブで出してもらえないだろうか…それとももうテープがダメになってるんだろうか…と頭を抱えてしまいます。これ、本当にどなたか録画してたりしないですかね…観たい聴きたい(>_<)かったのですが、2016年の秋にNHKが遂に『ボリス・ゴドゥノフ』と『イーゴリ公』のCDを発売してくれました!大感謝!!音に聞きし、だったわけですがいずれも素晴らしい公演だったのだろうということがよくわかります(詳細はオススメ録音のコーナーで^^)

残念なことは他にもあります。
彼は当時のユーゴスラヴィア、現在のボスニア出身なのですが、当時の東側世界の人物であったからか、それともご存じのとおりの内戦で散逸してしまったからなのか、その実力に比して音源が極端に少なく、他のユーゴの歌手たちとDeccaで録音したものといくつかのライヴ録音があるばかり。そのDeccaでの録音も大体廃盤で入手困難だったり、そもそもCD化されていないようなものまであります。

つい最近ようやっとmp3音源がいくつか入手できるようになりました。
なんとか人気に再度火が点かないものかと思いつつ…。

<ここがすごい!>
「シャリアピンの再来」として知られ、ボリスを当たり役としたことから伺えるとおり、この人の持ち味はその演技派っぷりだと言えるでしょう。残っている写真などを見ても、その表情の豊かさ、目力の強さには圧倒されます(本当であればその表情とともに歌を楽しめれば言うことないのですが、まあ無理を言ってもしょうがないですし^^;)。音源を当たってみると、そうかこういう表現ならそういう表情になるよなぁというケレン味たっぷりの歌です。こういう歌は下手にやるとわざとらしくなってしまうので、なかなか立派に歌えるものではありません。大芝居ではあるのですが、鬱陶しい演技にならず、歌も崩し過ぎないギリギリのところで踏みとどまって、豪快なキャラクターを創りあげています。彼の演技のセンスの良さがなせる技でしょう。

また、一声発したときの存在感と言いますか華と言いますか、それはやはり大きいです。ペトロフやアルヒーポヴァの回でも同じようなことを書いたような気がしますが、「お、主役が出てきたな」と思わせる雰囲気があります。ただ、彼の場合ちょっと違うのは、「これぞ主役の声!」と言う以上に、「よ!千両役者!」という感じなんですよね笑。どちらかというと芝居の空気を持っていると言えるのではないかと。もちろんそれは上述したような歌として、演技としての表現の持ち味があるからだとは思うのですが、その歌声の魅力も忘れてはならない要素でしょう。美声かと言われるとちょっと違うような気はするのですが、そのアクのある粗っぽい感じの声には、なめらかでまろみのある耳触りの所謂美声とはまた違う力強さ・かっこよさがあります。しかも声量がある。それは録音で聴く限りそうだと言うだけではなく、実際に彼の演唱を体験した人たちも口を揃えて言うことなので、まず間違いないでしょう。彼はそういった自分の声の持ち味をよく理解していたのだと思います。彼の演技は大芝居だという話をしましたが、それは力強く巨大な自らの声を最大限に活かしたものであり、繰り返しになりますがそのあたりが演者としてのセンスの良さなのだなと。

演技派であることを何度も強調した訳ですが、当然ながら演技が先に立ち過ぎて歌が疎かになっている訳では決してないことも付言しておきましょう。むしろ歌そのものがしっかりしているからこそ演技功者であることが活きるということは、他の歌手のところでもたびたび述べているところではありますが、彼についてもその点は同様。役への入れ込みはアリア1曲であっても十分以上に感じられます。あたかも登場人物がしゃべっている様子がそのまま歌になったかのような自然さは特筆すべきものでしょう。そういう意味で非常にうまみのある歌だと言えると思います。

<ここは微妙かも(^^;>
もう、音源がもっとあれば…というのが一番痛いところでしょうか(泣)
正直なところ、聴くことのできる音源があまりにも限られることに加え、それらの殆どが彼の本領を発揮できる演技派の当たり役ばかりなので、微妙ポイントを引きずり出すのが困難だったり。
だから、音源が欲しいというのが最大のポイントかもしれません…フィリッポが聴きたい…ww

<オススメ録音♪>
・ボリス・ゴドゥノフ(М.П.ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』)
ミラディノヴィッチ指揮/ジョルジェヴィッチ、パウリック、ボドゥロフ、カレフ、Z.ツヴェイッチ、ポポヴィッチ共演/ベオグラード国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1967年録音
>チャンガロヴィッチと言えば一にも二にもやはりこの役でしょう。東京での公演の音源が入手できないのは非常に残念ではありますが、それでも正規録音の全曲盤としてこれが手に入るのは非常に嬉しい。狂乱の場面など迫力ある演技が目に浮かぶようですし、その前のシュイスキーのパウリックとの対決も緊張感が高く素晴らしい(ちなみに、パウリックは「スラブ歌劇」の時にもシュイスキーを演じ、性格的な演技で高い評価を得ています)。千両役者ぶりを充分に発揮しています。その他恐らく旧ユーゴ中心の歌唱陣も高いレベルだと言えるでしょう。しかもこれ、数少ないショスタコーヴィッチ版の録音で、そういう意味でも貴重。この作品がお好きな方であれば、是非手元に置いておきたい音源だと言えます。
(追記2017.3.14)
フォン=マタチッチ指揮/ギュゼレフ、ボドゥロフ、パウリック、ボスピシュ、コロシェッツ共演/N響&ザグレブ国立歌劇場合唱団/1965年
>2016年秋、伝説となっていた録音が遂にそのヴェールを脱ぎました!当時の日本のオペラ・ファンに鮮烈な印象を残した「スラヴ歌劇団」公演の録音です。何といってもチャンガロヴィッチの堂々たるボリスが最高です!シャリャピンの再来と言われるのも全く頷ける気迫の歌唱ですが、芝居以上に歌としての精妙さを感じさせるように思います。もちろん狂乱や死の場面では強烈な咆哮も聴かせるのですが、死の場面でもむしろ印象に残るのは味わい深いディミヌエンドとppp。独白では権力者の孤独と迷いを崇高に謳いあげていて特に感銘を受けました。が、実は一番聴きごたえがあるのはパウリックが演じるシュイスキー公爵とのやりとりの場面かもしれません。パウリックがまた心憎い巧さで、ボリスを追い詰めていく悪魔的な知能犯。この2人の緊迫した場面では思わず息を詰めて聴き入ってしまいます。ピーメンを演じるギュゼレフは、おそらく演劇的なチャンガロヴィッチに対してですが、かなり淡々と丁寧に歌っており、同じバスでも役柄の違いを際立たせています。整った歌は聖職者の尊さを感じさせるとともに、その近寄りがたさも感じさせています。ボドゥロフのいいやけっぱち感が出た偽ジミトリー、ボスピシュの若々しいマリーナ、コロシェッツの豪放なヴァルラームといった人たちも多少の凸凹はありつつお見事。フォン=マタチッチの指揮はスラヴらしい熱に浮かされたような情熱と西欧的な精緻さとがハイレベルで調和したもので、期待に違わぬ名手腕です。オペラ・ファン必携!

・コンチャク汗(А.П.ボロディン『イーゴリ公』)ホルヴァート指揮/ネラリッチ、ヴィーナー、ギュゼレフ、フランツル、ボスピシュ、ラーテヴ、パウリック共演/N響&ザグレブ国立歌劇場合唱団/1965年(追記2017.3.)
>嬉しいことに上述の『ボリス』と同様こちらも発売されました!演奏としては序曲や3幕をカットしている他、『ボリス』に較べると粗っぽさや歌手の凸凹もあるものの、ホルヴァートがきびきびと緩急の付いた音楽に仕上げてくれているお蔭で、集中力のある佳演になっていると思います。3幕がカットになっているためチャンガロヴィッチの出番はかなり短く(本当は3幕の歌が聴きたかったのだけれど……)、殆どアリア周辺だけなのですが、その部分だけでも重要な主役の一人としての貫禄を感じさせます。スサーニンやドシフェイでも同じような印象を持ったのですが、第一声発した瞬間に只者ならぬ気配を纏っており、それがコンチャク汗がこの作品のもう1人の英雄であることを我々に知らしめるのです。ギュゼレフはここでは先ほどとは打って変わって豪快な悪漢ガーリチ公爵。ただの悪人ではなく、なんとなく彼を慕ってしまう人がいるのがわかる愛嬌を感じさせるのが流石です。その他のひとでは主役のネラリッチは悪くはないもののやや甘めの声が役にあっていない印象、ヤロスラヴナのヴィーナーが切々とした表情はいいもののやや声がキツめ、息子夫妻はまずまず悪くないもののもう少し個性がないという中で、ラーデヴとパウリックの小悪人2人が異様に巧いwwこれはホルヴァートの指揮による部分もあると思うのですが、この2役の出てくる場面がこんっなに陽気で愉しいと思ったのは初めてでした。

・グレーミン公爵(П.И.チャイコフスキー『イェヴゲニー・オネーギン』)
ダノン指揮/ポポヴィッチ、ヘイバローヴァ、B.ツヴェイッチ、スタルツ共演/ベオグラード国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1955年録音
>彼の出ている音源で一番手に入りやすいのはこれかもしれません。グレーミンは3幕のみに登場する小さな役ではありますが、名アリアもあり、キャラクターとして重みが無ければ説得力が無くなってしまう大事な役どころ。チャンガロヴィッチの歌唱はここでは落ち着いた、慈愛に満ちたもので、この人物に重厚な存在感を与えています。ここで歌っているアリアは結構オムニバス・アリア集に含まれていることが多いので、彼の声をまずは聴いてみたい方にはおススメできると思います。以下の音源でもほぼ指揮、共演、オケ、合唱はいずれも旧ユーゴのひとたちですがいずれも高いレベルの露ものを聴かせて呉れます。実は僕は初めて聴いた『オネーギン』はこれだったのですが、非常に楽しめました^^

・イヴァン・スサーニン(М.И.グリンカ『イヴァン・スサーニン』)
ダノン指揮/グラシェノヴィッチ、スタルツ、ミラディノヴィッチ共演/ベオグラード国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1956年録音
>超名盤。出てきた瞬間からの堂々たる主役ぶりはこの音源が一番感じられるかもしれません。他のキャストも充分いいのですが、これは彼の藝を楽しむための音源と言っても過言ではないです。アリアから死の場面まではスサーニンを演じるバスにとっては一番の見せどころでありながら、長いので演じる方も聴く方も結構しんどかったりする訳ですが、圧倒的な求心力で一気に聴かせてしまいます。ダノンの指揮も大変見事で、この作品の良さを引き出しています。

・ドシフェイ(М.П.ムソルグスキー『ホヴァンシチナ』)
バラノヴィッチ指揮/N.ツヴェイッチ、マリンコヴィッチ、スタルツ、ポポヴィッチ、ブガリノヴィッチ共演/ベオグラード国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1954年録音
>これもいい演奏ですね^^群像劇ですから名手が揃わないと面白くない訳ですが、ミステリアスなブガリノヴィッチ、力強いスタルツ、分厚い声が魅力のポポヴィッチに荒々しいN.ツヴェイッチと良いメンバーが揃っています。そんな中で彼の演ずるドシフェイが入っている訳ですが、どっしりとした風格ある演唱でこの録音全体の芯になっています。派手なアリアや嘆きの音楽はなく、祈りの音楽を当てられた静謐な空気の漂うキャラクターですから、ボリスをやる時のような隈取りとはまたちがう歌い口を楽しめます。こういうのをやるのもうまいもんです。

・ヴァシーリー・コチュベイ(П.И.チャイコフスキー『マゼッパ』)
ダノン指揮/ミティッチ、バコセヴィッチ、クルネティッチ共演/ベオグラード国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1969年録音
>ドシフェイとは違って派手な嘆き節や怒りの音楽のあるコチュベイですから、或る意味我々が期待するチャンガロヴィッチを聴ける音源です(笑)非常に切れ味のある演技でこの作品の悲劇性を高めていると言えるでしょう。この作品はマゼッパの悲劇であると同時にコチュベイの悲劇でもあるので、ここで彼のしっかりとした歌唱が楽しめるのは非常に大きいです。ここでもダノンの指揮は立派なもの。

・ドン・バジリオ(G.ロッシーニ『セビリャの理髪師』)
チラリオ指揮/アルヴァ、ブルスカンティーニ、デロサンヘレス、コレナ共演/コロン歌劇場管弦楽団&合唱団/1962年録音
>え?何これ?っていう感じのメンバーと場所での録音ですが、こんなのもやっていたりします笑。音質はお世辞にもいいとは言えませんが、彼の藝風の広さを伺える貴重なもの。アリアの歌いぶりなどかなり個性的で面白く、聴衆からもひときわ大きな拍手を貰っています。私自身バジリオについては特に大げさな役作りを好むので、これは嬉しい♪他のメンバーも良く歌っていますが、先述のとおり音質は必ずしも良くありませんので、どうしても敢えてこれでとは言いません^^;ですからまさにチャンガロヴィッチを聴くための音源ですね笑。
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第8回/セグノサウルス

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セグノサウルス
Segnosaurus galbinensis
特別展

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何だこりゃと思ったみなさん、これはセグノサウルスの腰の骨、腸骨です。
この腰の骨もまたホロタイプです。これもまたガリミムスと同じく、「え!こんな恐竜のホロタイプも来てるの?!」という超有名恐竜のひとつであります。

骨盤

恐竜は腰の骨の形で大きく2つのグループに分類されます。
上の図(本当に簡単に描いた模式図なので、形は不正確です、あしからず^^;)で見てみましょう。向かって右側が頭だと思ってください。腰の骨即ち骨盤は、大きく3つの骨で成り立っています。黄色い骨が腸骨、赤い骨が恥骨、青い骨が坐骨です。この3つのうち、恥骨と坐骨が角度を持って交わっているものを爬虫類(=竜)に似た骨盤を持っているということで竜盤類、恥骨と坐骨が平行になっているものを鳥に似た骨盤を持っているということで鳥盤類と言います。ちなみに、竜盤類にはすべての肉食恐竜の仲間と所謂“ブロントザウルス”の仲間が含まれ、鳥盤類にはそれ以外の恐竜が大体含まれます。
で、セグノサウルスなんですが、図で見て分かるとおり非常に微妙な形をしてらっしゃる(笑)また、身体の他の部分の特徴で見ても、双方の仲間を足して2で割ったような特徴がいろいろあるということで、多くの人々の頭を悩ませてきた、謎の恐竜なのです。現在では、セグノサウルスは竜盤類の肉食恐竜の仲間の中で植物食に移って行った仲間だと考えられています。前に向いていた恥骨が少しずつ後ろに向かって曲がって行った、というような解釈ですね^^

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で、そんなやつのホロタイプなんて拝めるもんではない訳です(笑)
この骨は腸骨と背骨がくっついた形です。この写真は上から腰の骨を見ています。ここから見ると薄く見える手前の骨が腸骨、何個か連なっているのが背骨です。こうしてみるとかなり腰の幅が広いです。安産型(笑)

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こちらはホロタイプではありませんが、同じく貴重な実骨標本で、件の恥骨です。そもそも実物なんか見られないので、普通にこれが展示してあったらそれだけでも騒ぎたいような代物。
この他にも爪などが展示されていますが、それは是非会場で!

見過ごしてしまいがちな地味な展示ですが、どうぞお見逃しなく!

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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Opisthocoelicaudia

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オピストコエリカウディア
Opisthocoelicaudia skarzynskii

先日こちらでご紹介した蒙国で発見された“ブロントザウルス”の仲間です。というわけで、詳しい説明はそこで見ていただければいいかなと^^
発想としては、お分かりかと思いますがデイノケイルスと一緒で、作れるところだけ作ってみました、というやつです(笑)ただ、「単純に頭作らなかっただけでしょ?」と言われるのは癪なので、わかっている部分の特徴は結構盛り込みました。後肢の先は足っぽくしているけど前肢がまっすぐなのも狙ってやっているところのひとつで、進化した“ブロントザウルス”の仲間に見られる、指の骨の退化を考慮に入れています。

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また先日も述べましたが、骨盤が幅広というポイントがあるので、腰のあたりから胴体全体は意識して丸めに作っています。結構作品としてまとめるところとのバランスで苦労しました^^;また、アパトサウルスと較べると、身体のバランスとして尾が短く太めなので、そのあたりも取り入れていますが、もう少し短くても良かったかも。

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進化した仲間なんですが割と胴が長めなので、そのあたりも注意して作っています。

作ってみて分かったのは“ブロントザウルス”の仲間は、本当に頸としっぽでバランスを取っていたのだなぁということ。頸がないと本当にバランスが取れず、尻尾に体が傾いちゃうんですよね^^;このあたり、結構収穫でした。
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オペラなひと♪千夜一夜 ~第五十三夜/ローカルな藝術~

ポップのところでちょっと述べたようなかたちで女声が続いていましたが、準備していた最後の一人。

Arkhipova.jpg
Lyubasha

イリーナ・アルヒーポヴァ
(Irina Arkhipova, Ирина Константиновна Архипова)
1925~2010
Mezzo Soprano
Russia

バンブリー、ホーン、ポップと並行して準備していた訳ですが、ひょっとすると一般には知名度は落ちるのかな、という気もします。とはいえ知名度が落ちるからと言って実力が落ちるかと言うと必ずしもそうではないのは、ここまで登場した人を見ていても窺い知ることではないかなと^^以前ご紹介したペトロフと同じように全盛期に東側世界に居たがために、世界的な活躍はできなかったようです。

露国出身のメゾには良い歌手がたくさんいて、有名なところではオブラスツォヴァだとか、現代で言えばドマシェンコやボロディナなんかはかなり力がある。しかし、未だに露国のメゾとして最高なのは彼女だと言ってもいいのではないかと個人的には感じています。もし彼女が国際的に活躍できていたらという気持ちも無い訳ではありませんが、一方で彼女の露国魂とでも言うべき土臭い歌を聴くにつけ、このぐらいの年代の歌手たちのローカルな魅力に思いを馳せざるを得ません。オペラの世界も今や以前よりもインターナショナルで、どうももうひとつ均質化され過ぎてしまっていて、「お国柄」というような素朴な良さを感じづらくなってしまっていますから。彼女の歌を聴くと、現在の「何をどの国の人が歌っても、同じ土俵の上で評価される」という音楽のグローバル・スタンダードができる以前の、歌の魅力を垣間見ることができる気がします。

<ここがすごい!>
基本的には本領は露ものでしょう。というよりも、露語で歌うもの、という言い方の方が正しいかもしれません。と、言っても伊語とかも思いのほか巧くて、コンサートではケルビーノ(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)なんかも歌ってるんですが、これが意外なぐらいまともに楽しめたり(←失礼。でも似合わないのは確かw)。
しかし、それでもやはりアルヒーポヴァと言えば露語だと思うのです。恐らく、根本的に彼女は自国語に対する感性が優れているのだろうと言う気がするのですが、聴いていて非常に自然なんですね。或る意味でそれがよく感じられるのは、逆説的ですがもともと別の言語、例えば伊語や何かのために書かれたものの露語版を歌っている時であったりします。普通こうしたものを聴くと少なからず違和感があるもので、特にソヴィエト時代の露語録音などはこの傾向が顕著だったりする訳なのですが、彼女が歌うと、あたかも最初から露語で書かれたものであるかのような錯覚を覚える、それぐらいことばとマッチした歌になるように思います。原曲を露国のことばで消化し直している、とでも言うべきでしょうか。

もちろんそもそも露語で書かれた楽曲では、訳詞のもの以上にことばと一体となった歌を楽しむことができます。それはまさに露国のローカルな藝術のひとつの結晶と言っても過言ではないでしょう。何を以て露的というのかと言う部分については、僕自身の中で巧いこと定義しきれていないのですが、漠然とした印象としてソプラノよりもメゾの方が露ものらしいという感じがする役が多いように思っています。美しいけれども執念深く、何処かに虚無の匂いがする…こうした役を殆ど素のままで演じているのではないかと感じさせてしまうのがアルヒーポヴァの恐ろしいところなのです。彼女には上記のような露国のことばのみならず、露国の歌を歌える感性と、深みはあるけれども凛と張り詰めた露国の声と三拍子揃っているのです!この彼女の良さは、やはりローカルな録音の世界でこそ活きてくる、というのが個人的な見解です。

上述しましたが露国出身で、インターナショナルなメゾとして良い歌手はたくさん出てきています。しかし、露国のメゾとして最高なのは、未だに彼女だと思うのです。
そして、近年こうした歌手が出てこないというのは、ちょっと寂しいところなのです。

<ここは微妙かも(^^;>
もう上段で言っちゃってますが、巧いけどケルビーノはキャラ違いだよw
どちらかと言えば女の情念みたいなのが感じられる役の方がハマっている気がしていて、ケルビーノに限らずモーツァルトみたいな或る種すっきりした音楽では、ちょっと違和感があるかもしれません。ただ、歌唱技術そのものは確かなので、意外と転がしとか巧かったりするんですがね笑。

<オススメ録音♪>
・マリーナ・ムニシェク(М.П.ムソルグスキー『ボリス・ゴドゥノフ』)
メリク=パシャイェフ指揮/ペトロフ、レシェチン、イヴァノフスキー、シュルピン、Ал.イヴァノフ、キプカーロ共演/モスクヴァ・ボリショイ歌劇場管弦楽団&合唱団/1962年録音
>露国のメゾと言えばやはりまずはこの役でしょう(ま、ソプラノが歌う場合もありますが^^;)。彼女は凛とした声で演じ、如何にも気位の高い貴族の娘らしく表現していますが、それ以上にこの役に付きまとうダルな雰囲気を、なんともうまく出しているところが素晴らしいです。お育ちも良く上品ではあるけれども、どこかに人間としての品位の低さが垣間見える優れた役作りだと思います。彼女に絡む僭称者グレゴリーのイヴァノフスキーとランゴーニのキプカーロも役柄に合った声と歌唱ですが、ここではやはりボリスのペトロフの力強い楷書体の歌が素晴らしい。

・リュバーシャ(Н.А.リムスキー=コルサコフ『皇帝の花嫁』)
マンソロフ指揮/ヴァライチス、ヴィシニェフスカヤ、アトラントフ、ネステレンコ共演/モスクヴァ・ボリショイ歌劇場管弦楽団&合唱団/1973年録音
>不滅の名盤。この傑作の録音としては、ゲルギエフの名盤と双璧と言っていいでしょう。ざっつ露国女という感じのするリュバーシャで、アルヒーポヴァがキレッキレの歌を聴かせて呉れます。登場時のかなり長いア・カペラからして尋常ならざる集中度の高い歌を披露していますし、その先の身体を売る場面の葛藤や物凄い恨み節など凄まじいものがあります。彼女と並ぶもう一人の主人公、グリャズノイを演じるヴァライチスがまたドラマティックな歌唱と露国らしい暗めのバリトンで性格的な人物を描き出していて、これまた秀演!この2人が全体を引っ張りますが、伊的な狂乱とはまたひとつ違った狂乱を見事に表現するマルファのヴィシニェフスカヤや、露国らしいくすんだ音色で力強い軍人を演じるルイコフを演じるアトラントフ、出てきた瞬間から輝かしい声で圧倒する若きネステレンコとかなりレベルの高い共演に恵まれたことで、聴き応えある録音になっています。まさに露国の藝術!

・ジョアン・ダルク(П.И.チャイコフスキー『オルレアンの乙女』)
マルティ指揮/ピアフコ、ギュゼレフ、マリネスク、アンドラーデ、オルロヴィッツ共演/仏放送交響楽団&合唱団/1975年録音
>チャイコフスキーのマイナー作品ですが、露ものが好きな方ならかなり楽しめるかと(^^)主要な登場人物は結構多いのですが、作品としてはプリマ・ドンナと言っても差し支えなく、総合してみればアルヒーポヴァの独り舞台と言ってもいい仕上がりになっていると思います。兎に角華がある!若き日のギュゼレフや、彼女との共演も多いピアフコはじめ共演陣もいい歌唱なのですが、これぞ主役!というべき存在感で、第一声から全部持って行ってます(笑)グラントペラ的と評されることが多いのですが、彼女の緊張感のある切々とした禱りなどを聴いていると、実に露的な印象を受けます。なお、彼女はこれとは別にもうひとつ録音があります。これは僕自身未聴なのですが、今回紹介した録音にどうやら結構カットがあるようなので、仕入れたいなと思っているところ。

・伯爵夫人(П.И.チャイコフスキー『スペードの女王』)
ゲルギエフ指揮/グレゴリヤン、グレギーナ、チェルノフ、プチーリン、ボロディナ、アレクサーシキン共演/サンクトペテルブルク・マリインスキー・オペラ管弦楽団&合唱団/1992年録音
>この役は作品のキーロールで歌以上にその不気味な老婆のオーラが欲しい役なので、割と過去の大歌手が演じており、最近では日本で老齢のオブラスツォヴァが演じて話題になりましたし、かつて小澤が振った公演では御歳80歳(!)のマルタ・メードルが歌ったことでも知られています。そんな流れでのこの役ですが、彼女が67歳の時の録音。相変わらず歌い口は達者で、期待どおりの迫力です。歳をとっても露国の女らしい執念深さを強く感じさせる歌唱。共演もパワフルなグレゴリヤンとグレギーナ、品のあるチェルノフ、性格的なプチーリンに加え、脇にもボロディナやアレクサーシキンなどを揃え、ゲルギエフの指揮と揃っています。

・エレン・ベズウーホヴァ(С.С.プロコフィエフ『戦争と平和』)2015.9.1追記
メリク=パシャイェフ指揮/キプカーロ、ヴィシニェフスカヤ、В.ペトロフ、マスレンニコフ、クリフチェーニャ、リシツィアン、ヴェデルニコフ共演/モスクヴァ・ボリショイ歌劇場管弦楽団&合唱団/1961年録音
>この大作を代表する名盤のひとつ。登場人物が多く、主役3人以外はそこまで出番は多くないものの、重要な役どころにはしっかり聴かせどころが準備された作品です。ここでの彼女もそうした役のひとつエレンを演じています。平和の部の登場人物中でも、頽廃的で陰謀めいた貴族社会の負の部分を代表する役柄ですが、僅かな出番の中でそうした匂いをしっかりと漂わせています。同じく「腐った平和」を象徴する役を演ずるマスレンニコフともども、大作を引き立てています。

・エボリ公女(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)
ナイデノフ指揮/ペトロフ、アンジャパリゼ、ミラシキーナ、ヴァライチス、ヤロスラフツェフ共演/モスクヴァ・ボリショイ歌劇場管弦楽団&合唱団/1965年録音
>かなり珍盤ですが、レベルの高い演奏なのは間違いないと思います。エボリはもちろんかなりヴェルディ的な役柄だと思うのですが、彼女の歌で聴いて感じるのは、意外とこの役は露的なアプローチでも行けるのではないかと言うこと。嫉妬から行動する執念の女ですからね(笑)彼女らしいドラマティックな歌いぶりは美貌のアリアで最大限に活きますが、意外と転がしも巧いのでヴェールの歌もいいです。共演もペトロフはじめ揃っています。

・アムネリス(G.F.F.ヴェルディ『アイーダ』)
メリク=パシャイェフ指揮/ヴィシニェフスカヤ、アンジャパリゼ、リシツィアン、ペトロフ共演/モスクヴァ・ボリショイ歌劇場管弦楽団&合唱団/1961年録音
>エボリと同じくこの役も意外なぐらい彼女の露的なアプローチがハマります。特に裁判の場での殆ど半狂乱とも言うべき強烈な表現は、暫し息を詰めて聴き入ってしまいます。変わった演奏ではありますが、下手なメゾが原語でやるよりもよっぽど説得力のある歌唱だと言えると思います。『ドン・カルロ』同様こちらも当時の露国の最高のソリストが揃っており、楽しめる音盤。

・メゾ・ソプラノ独唱(G.F.F.ヴェルディ『レクイエム』)
メリク=パシャイェフ指揮/ヴィシニェフスカヤ、イヴァノフスキー、ペトロフ共演/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団&グリンカ・アカデミー合唱団/1960年録音
>考えてみると露語ヴェルディいっぱい歌ってますねwこれのみ原語どおり。如何にも色もの扱いされそうなメンバーですが、ヴェルディ『レクイエム』の最高の演奏のひとつと言ってもいいでしょう。アルヒーポヴァはいつものように深いけれどもピンと張った澄んだ声で、劇的な歌唱を繰り広げています。“おぼえたまえ”での哀切きわまる歌唱は、彼女の本領である露歌劇を彷彿とさせるところも。ペトロフの重厚なバス、イヴァノフスキーのこちらも露流儀なテノール、そして殆ど狂気の沙汰のようなヴィシニェフスカヤに実直なメリク=パシャイェフと、望月の欠けたることのなしと思えば、です。
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第7回/オピストコエリカウディア

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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オピストコエリカウディア
Opisthocoelicaudia skarzynskii
特別展

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デイノケイルスと並ぶ今回の大きな目玉の一つと言っていい展示です。こちらもホロタイプ
実際展示やこのblogをご覧いただいていると、だんだんと「ホロタイプってそんな珍しくないんじゃないかな~」とホロタイプの価値が暴落する虞があるので念のため繰り返し言いますが、こんな展示は特別展と言えど普通ありえないですからね!フィクションじゃないかと思うレベルのありえなさですから!笑
こいつについても、レプリカの骨格模型は波国のワルシャワにある科学アカデミーに展示されているということですが、こうして実骨を使った組立て骨格を展示するのは世界で初めての試みだそうです。そして、こうして組み立てることによって初めてわかったことなどもやはりいろいろあったということで、或る意味非常に基本的な手法ではありますが、この「組み立てること」そのものに如何に価値があるかを思わざるを得ません。

頸やしっぽが長くて胴体が大きい、所謂「ブロントザウルス」の仲間です。
全長に較べるとかなり胴体部分が大きい感じがします。それはオピストコエリカウディアやその仲間に見られる特徴として、骨盤即ち腰の骨の幅が広いことに起因するものと思われます。長さから考えると「ブロントザウルス」の中で飛びぬけて大きい生き物という訳では必ずしもありませんが、この非常に大きな胴体はそれだけでかなりの見応えがあるのは確かです。

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「オピストコエリカウディア」という名前、かなり長くてなれないと舌を噛みそうになりますが、分解すると3つの言葉からできていて、「オピスト」が「後ろ」、「コエルス」が「中空、凹み」、「カウダ」が「尾」という意味のラテン語です。ですから即ち「オピストコエリカウディア=後ろが凹んだ尾」ということになります。
これは彼らの尾の骨の特徴に拠ります。上の写真の1番左側の骨が1番頭側の骨ですが、左側に少し膨らんでいるのがわかるかと思います。頭側が少し膨らんでいるのに対し、この写真ではわかりづらいですがしっぽ側(といってもここもしっぽだけど^^;)は少し凹んでいます。この恐竜が発見されたころには、「ブロントザウルス」の仲間の尾の骨はみな平らな骨が並んだ感じ、極端なことを言えばこんな→□□□□□感じのものしか知られていなかったので、この前に飛び出し後ろが凹む形が非常に珍しく、それにちなんだ名前がついたのです。ただ、現在ではこの特徴もオピストコエリカウディアの仲間に共通するものだと考えられています。
オピストコエリカウディアの仲間の化石は南米や蒙国なのから発見されていますが、今なお化石証拠が潤沢という訳ではありません。そんな中でこうして組立て骨格を作れるだけ化石が見つかっているオピストコエリカウディアは、学術的にも非常に貴重な存在だと言えます。

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これだけ見事な化石が見つかっている生き物ではあるのですが、実は彼らは頸から先の化石が発見されていません。今回の特別展では全般にそういう傾向にあるのですが、発見されていない部分について、近い種類から類推して復元を施すこと(どういうことかというとこちらの下段参照)をせずに、敢えて見つかっていない部分については、見つかっていないよという形にして展示してあります。
展示を観る側からすれば、どこまでが発見されているのかがよくわかる大変良心的な展示ということができるでしょう^^

ところで先日の記事でもご紹介しましたが、、、
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だからそこは見つかってないって!!!www

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第6回/ガリミムス

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ガリミムス
Gallimimus bullatus
特別展

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今回の特別展ではタルボサウルスなど大きな恐竜に隠れてややひっそりと展示されている感もありますが、恐竜にちょっとでも興味のある人ならば、必ず名前は目にしたことのある超有名恐竜。しかもホロタイプです!

『ジュラシック・パーク』の最初の作品で、ティラノサウルスに追われてものすごいスピードで走っていた恐竜と言えば思い出される方もいるかもしれません。
ダチョウのような姿で速く走ったと言われている恐竜オルニトミムスの仲間です。ちなみに前出のデイノケイルスもこの仲間と考えられており、ガリミムスをスケールにその巨大さを想像できるのでは^^
ちなみにオルニトミムスの仲間は、慣例として名前にみな「ミムス mimus 」という語がつきます。これは英語のmimicと一緒で、「もどき」という意味。オルニトミムスの場合「トリもどき」という意味(英語で鳥類学はornithology)です。ガリミムスの場合「ガルス gallus」というのがニワトリという意味で、「ニワトリもどき」となります。このgallusという語は「ガリア Gallia」、即ち現在の仏国にも繋がり、仏国の象徴がニワトリとされることと恐らく関係があるのでしょう。
ま、正直似てないけどwww

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ちょっとこの写真だとわかりづらいですが、この仲間では異例の大きさです。
もちろんデイノケイルスという化け物もいる訳ですが、映り込んでいるサウロロフスのしっぽに対してこのサイズですから、いかに大きいかというところ。これは是非会場でご覧になってください。

プロポーションとして面白いのは、非常に前足が長いというところ。特に上腕骨が肩甲骨よりも長いです。また、指が1本やや捻じれた向きについているということもあり、枝や葉を掴むことができたのではないか、というところから植物食ではないかという見方もあります。
一方でこれとは別の化石からカモのような嘴があったという学説もあり、その嘴の構造から水中の小さな餌を濾しとって食べる濾過食の可能性も指摘されています。ただ、個人的にはこの体のサイズをそれで支えるの?というのはいささか疑問なので、植物食のほうが信憑性があるような。ま、素人の戯言です笑。

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子供の化石も傍に展示されています。これの方が鶏っぽいよ!笑
こちらも実物。そしてガリミムスの名前がついたころから知られている標本のひとつということ。
今回子供の恐竜の化石もたくさん来ていますが、いずれも全体に丸っこい赤ちゃん顔をしているのは興味深いところです。こいつも眼窩が丸くてかわいい♪

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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オペラなひと♪千夜一夜 ~第五十二夜/生命の息吹~

女声が続きます。

実は今日の主役ポップは長らく書きたかったのですが、彼女を書くなら聴かねばならないだろうという音源が多かったので、その間にバンブリーをと思い立ったもののバンブリーを書いている途中でやはりヴェーヌスをちゃんと聴かねばと思い、それを用意している間に次回予定の歌手を書こうと思ったらその人も聴かねばな音源に気づき、ならホーンをと思ったら今度はタンクレディをきちんと聴かねばとなり、そうこうするうちにポップもあらかた聴きたい音源を聴き終えてしまい、なんてことをやっていたのでこんなことに。お蔭で女声のストックが尽きそうです(^^;いやまだそりゃフレーニとかステッラとかヴィシニェフスカヤとかベルガンサとかバルツァとか外せない人はいますが…そう思うとまだまだ全然ダメだなこのシリーズ汗。

Popp.jpg
Arabella

ルチア・ポップ
(Lucia Popp)
1939~1993
Soprano
Slovakia

前置きが長くなりましたが、今回はポップ。
どちらかと言えば独系のレパートリーを中心にしていた人なので独人か墺人かと思いきや、スロヴァキア出身で本姓はポポヴァー。あの辺では多い姓ですね^^
その卓越した声と表現力豊かな歌、チャーミングな容貌で知られ、大変な人気がありました(後年だいぶお太りになられていますが^^;)。しかし、歌手としてまだまだこれからと言う時に癌で他界。享年54。
その死から20年が経ちますが、今なお多くのファンがいます。当時のファンはもちろんですが、残された録音によってファンになった人も。このあたり同じように夭逝したヴンダーリッヒやバスティアニーニと同じような現象かもしれません。それだけ素晴らし かったし、素晴らしいものを遺してもいると言うことなのでしょう。
レパートリーは非常に広大で、モーツァルトからJ.シュトラウス、R.シュトラウス、ヴァーグナーにお国もののヤナーチェックを越え、果てはヴェルディ、ドニゼッティに至ります。しかもなんでまたこんな小さな役と思えるような役から、歌曲でも大変活躍をしており、録音も膨大にあり、とてもではないですがまだ全部聴ききることはできていません。今回はその大きな業績の中のほんの一部からではありますが、彼女の素晴らしさをお伝えできればと思います。

<ここがすごい!>
ポップの魅力を物凄く単純に一言で言い表すなら、「生命力」だと思います。
彼女の声からは、歌からは、いつも泉のように湧き出る生命の 息吹のようなものを感じるのです。朝摘んだ果実のようにフレッシュで瑞々しい。その若々しい歌声には、脇役で登場したとしても華があり、思わず耳を傾けざるを得ません。それだけ魅力的であるとともに、存在感のある声だと言っていいでしょう。
スーブレット的な若い娘の役を演じれば、如何にも智慧の回る活力ある女性が目に浮かびます。特に若いころはそうした役回りが多く、身軽で敏捷そうなキャラクター作りが本当に自然で、彼女自身頭の回る人だったんだなと感じさせます。ちょっと小狡いぐらいがちょうど可愛い役、即ちスザンナ(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)やアデーレ(J.シュトラウス『蝙蝠』)なんかはこれ以上があろうか、というハマり役だと思います。

一方で同じ若い女性でももっと奥床しい、品のある女性を演じさせても彼女は天下一品です。例えばアラベラ(R.シュトラウス『アラベラ』)、エリーザベト(R.ヴァーグナー『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』)、それにイリア(W.A.モーツァルト『イドメネオ』)。元気いっぱいのキャラクターに若さを感じさせるのは実は多分そんなに大変じゃないんですね、それよりは上品で控えめな女性を演じながら、そこに若さを感じさせる方が難しい。ともすると単に老けて聴こえるという悲惨な結果になりかねません^^;そこで我らがポップちゃん(通販みたいな文句ですが笑)。彼女の歌い口はこうした役をやる際には上記のスーブレット役の時とはっきり違っていて、より内向的な人物像を創りあげています。しかも、そ こから感じられるのは年長の女性の思い悩みではなく、年若い女性のそれなのです。このあたり元来彼女は女優を目指していたというのが大きいのでしょう。役者としての素養があった上で歌うのとそうでないのでは、はっきり違ってくる部分だと思います。そして、繰り返しになりますが彼女の潤いのある声の力が大きい。これはもう一節歌っただけで楽器の良さを感じさせます。ほんとに、役者ではなく歌手になって呉れて良かったですよね笑。

ここまでの話はどちらかというと歌の「うまみ」に関する部分だった訳ですが、歌の「巧さ」もこの人はずば抜けています。この側面からいうのであれば、何と言っても彼女を一役スターダムにのし上げた夜の女王!(W.A.モーツァルト『魔笛』)これはもうべ らぼうに巧くて、個人的には怒りの表現みたいなところで行くとE.モーザーやダムラウの歌唱が凄まじいなとは思うのですが、あんな歌遺してるポップに文句を言ったら罰が当たる、というレベルです笑。円熟したうまみで唸らせる後年の歌唱ももちろん素晴らしいのですが、どちらかと言えばキャリアの前半に多く遺しているこうした歌についても聴き逃せません。

キャリアの中で徐々にその持ち役を変えて行ったものの、その藝風といいますか、崩しのないきっちりとした歌の中に生き生きとした魂を宿すところは、生涯を通して彼女の持ち味になっていると言えるのではないでしょうか。

<ここは微妙かも(^^;>
ポップちゃんに微妙なところなんてない!(溺愛)
…と言いたいところなんで すが、ときどき高音が割れているような気がするのは気のせい?や、ほっとんどそういうことないんですが、たまーにドキッとするんですが…尤も、そんなん殆ど瑕疵ですが(溺愛)。

<オススメ録音♪>
・スザンナ(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)
ショルティ指揮/レイミー、アレン、テ=カナワ、フォン=シュターデ、モル、ベルビエ、ティアー、ラングリッジ共演/LPO&ロンドン・オペラ合唱団/1981年録音
・アルマヴィーヴァ伯爵夫人(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)
マリナー指揮/ファン=ダム、ヘンドリクス、R.ライモンディ、バルツァ、ロイド、パーマー、バルディン、ジェンキンス共演/アカデミー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1985年録音
>どちらもフィガロを語る上では欠かすことのできない演奏と言っていいでしょう。まずは当たり役スザンナを演じたショルティ盤ですが、これはもう文句なく素晴らしいスザンナです!ころころと湧き出て流れる泉の水のように美しく、生命力に溢れた歌は、まさに彼女の面目躍如というべきもの。よく言われるようにスザンナの出来がこの作品の出来を左右しますし、スザンナはやはりヴィヴィッドな人物として描かれていてほしい所ですから、そういう意味では彼女以上のスザンナはなかなかいないのかなと。共演ではアレンの伯爵がまずは見事で、ノーブルだけど陰険でやらしい人物像をよく作っていると思います。フォン=シュターデやモルをはじめとする脇役たちもまたこれ以上はなかなか望めない豪華なメンバーで、あらまほしき歌唱。ショルティの指揮は嫌う向きもあるようですが、僕はこの作品に欲しい勢いがあると思うし、美しく鳴らして欲しい所は十分に鳴らしていると思います。レイミーがやや立派すぎますが、声・歌とも賞賛すべきもの。これで伯爵夫人がM.プライスとかだったら最高の音盤なのですが…テ=カナワじゃなぁ^^;彼女の品の良くない声が出てくるとぶち壊しになってしまうのが残念であります。
これに対し彼女が伯爵夫人を歌った演奏がこちら。これはちょっと指揮からして色調が違う(マリナーのオペラは僕の知る限り大なり小なりどれもそういう印象です)という感じではあるのですが、僕自身はこういうフィガロもありだなと思っています。名スザンナとして知られたポップはシフト・チェンジをして夫人ではどうかなという気もしましたが、実際聴くと有無を言わさぬ魅力的な歌唱。かつてのロジーナであったことを思わせつつ憂いを含んだ表情で、なかなかこれだけの伯爵夫人はいませんよ!(^^)共演ではこちらも伯爵のR.ライモンディが品格があっていいですね!ファン=ダムのフィガロやヘンドリクスのスザンナも賛否両論ありますが個人的には割と好き。楽しめる異色盤だと思います^^
(2014.10.30追記)
ベーム指揮/プライ、ヴァイクル、ヤノヴィッツ、バルツァ、リドル、リローヴァ、ツェドニク、エキルス共演/ヴィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1980年録音
ポップちゃんのスザンナの上に、伯爵夫人があの人じゃないという個人的には大喜びな音源!(笑)しかもこれ東京でやった演奏だとか!実演で見たらそりゃあテンションあがるよなあ…と思います。スタジオ録音と同様、彼女は全身から生命力が湧きでるような歌唱で文句ありません!ライヴ音源で聴くとまたこのひとこそスザンナ!と思うこと一入ですね^^彼女とコンビを組むプライは衰えこそあるもののフィガロになりきった歌唱で、崩しもありますが守破離の離の境地まで至っていると言ってもいいのではないかと。この2人のフィガロとスザンナの鉄壁と言えるコンビが、全体を引っ張っていると思います。意外と録音のないヴァイクルの伯爵、淑やかなヤノヴィッツの伯爵夫人もお見事ですし、脇も揃っていますが、ここでのバルツァのあまりにも伊もの然としたケルビーノはいただけません。ベーム御大も最晩年ということで、決めどころは兎も角全体に音楽が弛緩気味なのも惜しい。とはいえ、楽しめる音源であることに間違いはないかと!

・アデーレ(J.シュトラウス2世『こうもり』)
C.クライバー指揮/プライ、ヴァラディ、レブロフ、コロ、ヴァイクル、クッシェ、グルーバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1975年録音
>不滅の名盤!もうこの演奏が素晴らしいことは言を俟ちませんが(笑)アデーレにポップというのはちょっと豪華すぎるぐらいの配役ではありますが、やはりあの2つの楽しいアリアを彼女の歌で楽しめるというのは大きいですね^^非常に闊達な役作りで、この人の喜劇への適性をよく感じさせます。プライのとぼけたアイゼンシュタインはじめほかのメンバーとの絡みの部分でも、軽妙で人を食ったような雰囲気で笑わせてくれます。そのプライはじめ共演もそろっていますし(レブロフは趣味がわかれるところでしょうが^^;)、何といってもクライバーの指揮!

・ブロントヒェン(W.A.モーツァルト『後宮からの逃走』)
クリップス指揮/ローテンベルガー、ゲッダ、ウンガー、フリック、ルドルフ共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1966年録音
>これもどちらかというと地味な扱いを受けていますが、この作品の決定盤と言ってもいい超名盤でしょう!ブロントヒェンはまた活力溢れた娘役ですから、初期の彼女の歌唱が合わないはずがありません(笑)とはいえキャラクターとしては非常に魅力的ながらあてられている音楽(特にアリア)は割と単純な繰り返しも多いので、ヘタクソな歌手が歌うと退屈してしまいますが、そこは我らがポップちゃん!まったく飽きさせずに楽しませてくれます^^相方ウンガーのコミカルな演唱も楽しいですし、千両役者というべき貫録のフリック、優男ながら力強さもあるゲッダも素晴らしい!ですが、ここでのローテンベルガーの歌いぶりには心底参りました。こんなに情感のある歌の歌える人だったとは!

・ゾフィー(R.シュトラウス『薔薇の騎士』)
フォン=ドホナーニ指揮/ヤノヴィッツ、ミントン、モル、グートシュタイン、パヴァロッティ共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1978年録音
>これも比較的マイナーな音盤だと思うのですが、いい演奏だと思います。ポップはここではゾフィーですからそんなに大きな役ではありませんが、その清純で華のある存在感はやはり秀逸。マルシャリンとオクタヴィアンに挟まれて意外と地味なこの役が印象的に聴こえるのは流石です。ミントンとのアンサンブルは官能的ともいえる出来栄えで、この人シュトラウスの適性あるなあと(まあ最後の最後で崩れたり瑕疵もあるんですが)。フォン=ドホナーニの優雅なオーケストラ、特にオックスの退場なんかは堂々たるもの。共演陣ヤノヴィッツの涼やかなマルシャリンもいいですが、モルのオックスが重厚な声なのにコミカルでいい!

・アラベラ(R.シュトラウス『アラベラ』)
サヴァリッシュ指揮/ヴァイクル、Ju.カウフマン、ザイフェルト、クーン、ヤーン、ホプファヴィーザー、シーデン共演/バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1989年録音
>この作品、実はしっかり聴いたのはこれが初めてだったのですがこれで一発で夢中になってしまいました!世紀の名演と言っていいと思います!ポップはもう晩年の歌唱ではあるのですが、そんなことは全然感じさせない娘ぶり。社交界の話題をさらう、まさに華のあるチャーミングなキャラクターを地で行ってしまっているところがまったくもって恐ろしいと申しましょうか。1幕の最後で自分の陶酔の世界に入っている独白の場面なども思わず感情移入してしまいますし、R.シュトラウスお得意の女性の重唱もまったくもって美しい。終幕にマンドリカを許す場面などは、フィガロの結婚の最後と並ぶ赦しの場面で殆ど奇跡の如くです。共演では男ぶりが素晴らしいヴァイクルが何と言っても見事でしょう!ヒロインよりも少し歳の行った寡ではあるものの、まだ枯れていない男っぷりのいい血気盛んな人物を演じるのに彼以上の人はいないのではないかと思わせます(実際にはポップちゃんのが2歳ぐらい年上なんだけどねw)。ジュリー・カウフマン(イニシャルだけ取るとあの気持ち悪い声のテノールみたいですが^^;)はここでしか聞いたことがありませんが、ポップとのアンサンブルの美しさ、少年にも少女にも見える容貌などまさに理想的なズデンカでしょう。張りのある美声を聴かせるザイフェルトと対照的にコミカルなホプファーヴィーザー、おちゃらけた中にも意外な父性を感じさせるクーンの伯爵、彼といいコンビのヤーン、花を添えるシーデルのミリといったその他の共演もまったく欠けがないですし、サヴァリッシュの采配もお見事!これ以上のアラベラはないのではないかと思います。これ、東京でやったんですよね…奇跡だわ…

・エリーザベト(R.ヴァーグナー『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』)
ハイティンク指揮/ケーニヒ、マイヤー、ヴァイクル、モル、イェルザレム共演/バイエルン放送交響楽団&合唱団/1985年録音
>いいところと悪いところとある演奏ではありますが、ポップのエリーザベトを聴くためだけにこれを聴いてもいいと思います。エリーザベトをやるには声質は軽めなのでしょうが、その身の詰まった芳醇な声が、この清純派の娘をより魅力的にしているのは間違いありません。祈りなどまことにお見事。ここでも共演しているヴァイクルとモルはいずれも充実した歌唱。特にヴァイクルのヴォルフラムは絶品ですね^^ハイティンクの指揮は評判悪いですが、確かに温度は低いかもしれませんが緻密な感じがして結構好き。それよりもパンチのないケーニヒとマイヤーの方が問題でしょう^^;

・イリア(W.A.モーツァルト『イドメネオ』)
プリッチャード指揮/パヴァロッティ、グルベロヴァー、バルツァ、ヌッチ、ストロジェフ、山路共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1983年録音
>不滅の名盤!格調高い古典悲劇の世界を現出するプリッチャードの音楽の中で、どちらかと言えばお人形さん的な役だと思うイリアですが、彼女が歌えばぐっと印象的に!もちろんコミカルをやっているときとは全く違う意味での演技巧者っぷりを発揮しているわけです。即ち、強烈なキャラクターを打ち出すグルベロヴァーに対し、清純派の役作りでこれだけ対抗できるポップってすごいなとwまさしく圧倒的なパヴァロッティをはじめ共演も揃っており、この作品がちょっとつまらないと思っている向きには是非ぜひ一度お聴きいただきたいと思います。

・夜の女王(W.A.モーツァルト『魔笛』)
クレンペラー指揮/フリック、ゲッダ、ベリー、ヤノヴィッツ、クラス、シュヴァルツコップフ、ルートヴィッヒ、へフゲン、ピュッツ、ウンガー共演/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団/1964年録音
>いろいろなご意見はあるかと思いますが、これも名盤だと思います。上述もしましたが、この夜の女王は一聴の価値ありです。どちらのアリアも怒りまくっているというイメージではないものの、その尽きることがないのではないかと思われる美声と優れた歌唱技術はまさに圧倒的な夜の女王というべきもの。これに文句なんかつけられませんよ(笑)明るくて力強いけど頼りなさげなゲッダ、抑えた歌唱のフリック、相変わらず藝達者なベリー、抒情的なヤノヴィッツもいいんですが謎に豪華な3人の侍女と弁者が印象に残ります。ただ、科白抜きというのは意図はわかるのですが音楽的にはクライマックスが連続してちょっと疲れますね^^;

・アディーナ(G.ドニゼッティ『愛の妙薬』)
ヴァルベルク指揮/P.ドヴォルスキー、ヴァイクル、ネステレンコ共演/ミュンヘン放送管弦楽団&バイエルン放送合唱団/1981年録音
>ええ異色盤ですよ、でもこれはこの作品の演奏史に残るものだと思います!イタオペの固定観念から外れた所で、この作品がこれだけフレッシュな魅力を持っているのを示したという意味でこれは非常に重要です。そうした意義付けの中でのポップのアディーナ、彼女の知的な歌唱がこの「村で一番利口で美人な娘」というキャラクターをものすごくリアルなものにしているのは間違いありません。この役の場合はアディーナやブロントヒェンのような普通のスーブレットよりも思い悩む部分や抒情的な部分が多く、その分高度だと思うのですが、そのあたりは彼女の面目躍如たる所。ここでも共演しているヴァイクルはベルコーレとしては最高の歌唱ではないかと思います。男ぶりのいい歌い方で、気位が高いイケメンなキャラクターをよく作っていると思いますし、アリアの最後の高音も刺激的!ネステレンコの重厚すぎるぐらいのドゥルカマーラも聴きごたえ満点で、こういう深いしっかりした声でこの役をやっても面白んだなと。兄ドヴォルスキーは若さが目立つとはいえそれが僕はプラスになっていると思います。

・ノリーナ(G.ドニゼッティ『ドン・パスクァーレ』)
ヴァルベルク指揮/ネステレンコ、アライサ、ヴァイクル共演/ミュンヘン放送管弦楽団&バイエルン放送合唱団/1979年録音
>上記の『愛の妙薬』と同じような意味で重要な音盤でしょう。まじめであまり楽しくないという声も聴きますが、イタオペ的なスットコドッコイを求めすぎなければそんなことはないと思います。こちらでも頭の回転が速くて気の強い娘っぷりが非常に魅力的。何とかエルネストとの結婚を取り付けようとあの手この手繰り広げる姿は痛快ですらあります。こちらでも登場するネステレンコとヴァイクル、コミカルというのとはまたちょっと違うのですが、この人たちもまた非常に達者。例の早口2重唱などはまさに痛快そのものと言っていいでしょう。そしてここでは優男はアライサです!この頃の彼は何を歌っても本当に素晴らしい!彼の品格ある声と歌い回し、そして高音にはノックアウトされてしまうこと請け合いです。超おススメ。

・ムゼッタ(G.プッチーニ『ラ=ボエーム』)
C.クライバー指揮/パヴァロッティ、コトルバシュ、カプッチッリ、ネステレンコ、ジョルジェッティ共演/ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団/1979年録音
>この作品の最高の演奏の一つではないかと思います。評価の高いクライバーの『ラ=ボエーム』をこうして聴けるのは嬉しい所。ムゼッタというのはプッチーニ最高の音楽を充てられている役だと個人的には思うのですが、どうにもあまりいい歌手・いい演奏に巡り合えないのですが、そんな中で渇を癒してくれるのがこの演奏です。ポップとしては割と異色な役だと思うのですが、程よい色気といい溢れるような生命力といい本当に素晴らしいムゼッタ!輝き溢れるパヴァロッティ、めそめそしたキャラにあったコトルバシュ、渋く固めるネステレンコとメンバーも揃っていますが、カプッチッリはマルチェッロには立派すぎやしないかい?wwバスティアニーニのときも同じように思ったんだが、この役はやっぱりパネライだよ~。とはいえアンサンブルはいいので、ムゼッタのワルツが感動的な出来だと思います!
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かはくの展示から・恐竜展特別編~第5回/おススメのお土産

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おススメのお土産
The original goods for the special exhibition
特別展

今回はちょっと趣向を変えて、blog主の独断と偏見で特別展おすすめのお土産をご紹介^^
もちろんここで挙げるもののほかにも今回はかなりたくさんのグッズがあるのですが、ここではこの特別展ならではのオリジナル・グッズに注目したいと思います!

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まずはなんと言っても図録でしょう!
今回の図録、内容は大阪のときとはまた違うものになっています^^ので、大阪をご覧になった方もこの機会をお見逃しなく。僕自身まだ全部に目は通せていませんが、オピストコエリカウディアの特集が組まれている日本語の冊子なんて未だかつてあったでしょうか!笑
という訳で、まずは特別展お土産の基本中の基本ですが、こいつをお勧めします。
(追記2013.12.7)
この図録、開会当初に置かれていたものと現在置かれているもので若干内容が違うようです!
デイノケイルスとガリミムスの出ているページにテリジノサウルスが出ていればそれは新しいもの。古いものをお持ちの方は、もう手に入らない稀覯本ですから是非大切にしていただければ!^^
具体的な内容の違いについては読み較べてからまた書きますんで、暫しお待ちを…

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続いてこれは大阪の時に特別に作成されたタルボサウルスとサウロロフスです。
これはafragiさんこと造形作家の徳川広和さんが原型を制作、彼のこだわりが詰まった逸品に仕上がっています^^彼のこだわりのほどは、こちらをご覧いただければと思います!
更に言えば(これも彼のこだわりですが笑)、これらはいずれもお風呂でも遊べる仕様になっています♪
そのできの素晴らしさは、是非お手に取って確かめてくださいまし!

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恐竜の子孫カレー。
…もはや何も言うまい…w

味はフツー←喰ったんかい

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お菓子もいろいろありますが、これは今回展示されているいろんな恐竜がパッケージに描かれたチョコレート。
おススメは断然オピストコエリカウディア!!そのうちここでも取り上げますが、彼らは頸から先は見つかっていません!なんだこのデザインは!見つかってない部分がメインじゃないか!

という訳で、みなさん、懐に余裕を持ってお越しください笑
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第2回TAS定例会活動報告

一昨日11/30(土)に第2回TAS定例会を行いました!

※ TAS(たす)は、公式には“Tokyo Academic Society”、正式には“Tottemo Ayashii Shudan”、場合によっては“Tittomo Ayashikunai Shudan”と名乗っておりますが、要するにtwitter等で集まった古生物、生物を中心とする博物学関係に興味のある方たちのオフ会であります。博物館の見学や意見交換、懇親会等を行っています。

今回は、折角上野国立科学博物館で尋常ならざる大恐竜展を開催中と言うことで、ハイパー恐竜タイムな1日でした。いやぁ濃かったwww

8:30 JR上野駅上野公園口集合
恐竜展に朝イチで入るためとは言え、朝早かったwwwが、既にこの時10人集まるとか半端ない集団だと思うw
人が多いところで待ち合わせるのにアンコウ・バッグが役に立つことが分かった。

8:45 かはく前に移動 ⇒ 自己紹介タイム

9:00 『大恐竜展~ゴビ砂漠の驚異~』へ突入
僭越ながらホストとしてざっくりと流れを説明。あれでよかったのかは正直謎ですが^^;、参加者の中の詳しい方々のお蔭でどうにかこうにか。
この日は結構混んでいたので、中盤あたりからちょっと邪魔だったかもな…こういうときは本当に難しいです。
しかし、まあ、テンションが上がる上がるwww

11:30 お昼休み(お土産タイム含む)
次回もあの店を使うなら予約をしておこう、流石に^^;

13:30 常設展見学(地球館地下1階及び地下2階)
本当は日本館3回北も行きたかったが断念。なんだかんだここの常設はいいものが多いし、これだけ濃い人が集まるととてもじゃないが見きれませんなこの時間じゃ笑。

15:10 かはく出発

16:00 意見交換会(今回も会場の提供は博士のシェアハウスさん。本当にありがとうございます!)
この日は恐竜展の図録にも寄稿している東大の服部さんから話題提供。お話の中心は今回沢山展示のあるオルニトミムスの仲間の進化と研究のお話。午前中展示を観ていることもあって様々な質問が入りながら2時間半があっという間^^
そのあとは宣伝タイムで博物館学がらみのPCALIのモニター募集のお話と博物ふぇすてぃばる!の出展者募集のお話。どちらも非常に魅力的!

19:30 夜の部
たのしく、のめました。

翌日13:30 “補講”
11/30に参加できなかった方向けに恐竜展の見学会。

(まとめ)
今回はこれまでと較べて学生さんが少なかったのもあって若干年齢層は高め、というか恐竜ファンの間ではかなり高名な方々にたくさんご参加いただいたこともあり、世話人としてはご満足いただけるか大変心配だったのですが、最終的には前回同様活発な会とすることができたのではないかと^^素人・玄人とか年齢とか知識の差など関係なく楽しく話をする場を提供したいと考えている身としては、今回も引き続き理想的な環境が作れたのではないかと思っています。バックグラウンドの多様性を維持しつつ、規模的にはこのぐらいがやっぱり一番かな。
あとあのぐらいの宣伝タイムは毎回あってもいいかも。結構あれはあれで面白かったし^^
次回は2月ごろの予定で、話題提供はこの方とウニの研究をされている学生さんとで調整中。
また追ってtwitter等で告知します!どうぞよろしく!^^
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