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Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

汎用猫型ロボット D0RA-1293

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汎用猫型ロボット D0RA-1293
General Robot Cat D0RA-1293

キャラクターものはあまり得意ではないと思っていたのですが、ポケモンをいくつか取り上げて以来、人に頼まれたり何となく紙をいじっているうちに気づけばそれなりの数を折っています。とはいえキャラクターを「らしく」見せるため要素の中では配色が大きな比重を占めているので、1枚で作ろうとすると裏表2色に限定されてしまう折り紙ではどうしてもハンディがありますし、自分自身の技術的な話をするのであればインサイドアウトは苦手な部類です。なおかつかわいらしさを求めた丸っこいシルエットをしていることが多いことも悩ましく、自分から折りたいと思うことは正直なところあまりありません。

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一方で自分で作ることを離れてキャラクターもの自体の好き嫌いの話をするのであれば、デザインの洗練されたものは大好きで、身の回り品ではワンポイントであしらわれていたりするものをよく選んでいます。もちろんドラえもんもお気に入りで、以前手帳に使っていましたし、今はちょっと狙っているネクタイがあります。ただ、まあ作るのはまず無理だろうなと思っていたんですよね。
それこそ配色の要素が大きいし、めちゃくちゃ丸いし。

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創作意欲の源になった出来事は3つあります。1つは5年ほど前に森美術館で開催されたドラえもんをテーマにした展覧会で、気鋭の現代アーティストたちによる、ドラえもんとその世界を素材にした刺激的な作品が数多く展示されていました。ここでは作家たちのイマジネーションの豊かさもさることながら、このキャラクターのデザインの強さ、ゆるぎなさを改めて実感しました。2つ目はミュージアムのある小田急線の登戸駅の表示です。プラットフォームの何でもない駅表示のデザインが、水色・赤・白の3色で構成され、鈴のマークがつくだけでもうドラえもん以外の何者でもなくなってしまう。その配色の妙に心を動かされました。

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(ここまでの写真のドラえもんは紙を貼って「ドラえもんカラー」を再現しています。モノ自体は不切正方形1枚から作っているので、普通に折ると左側のような姿になりますが、こうして並べると配色の重要性がよく分かりますね。)

最後の1つは星野源の「ドラえもん」とオープニングで使われたアニメーション。僕自身は単行本を買い集めて全てのエピソードを追いかけているというほどのファンではないものの、小さいころ金曜7時と言えばドラえもんでしたし、映画もひと通り見ているということを考えると、比較的好きな部類に入るというぐらいだと思います。その程度の身から見てもあの詩/音楽の中に数々のオマージュが織り込まれていることはよくわかりましたし、そのために作られたアニメーションもまた、あくまで作品の世界観を中心に据えながら、子どもにとっては煌びやかな、大人にとっては懐かしいワクワク感を覚えるものに仕上げられています。おおざっぱながらわかりやすい言い方にするのであれば、作り手たちのドラえもんへの愛の大きさが、子ども向けアニメを大人も惹きつけるコンテンツに昇華していることに感動したのです。
こんなことから、いつしかドラえもんは「作れないと思うけどいつか作りたい」テーマになっていました。

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とは言えそれぞれの出来事から数年経っても具体的なアイディアは湧いてこず。意欲はあっても中途半端なものにはしたくありませんでしたので(何せ影響を受けたものそれぞれが非常にクオリティが高いものでしたから!)、気長に待ちました。転機は突如やってくるもので、先日コウペンちゃんを作るのにいろいろ紙をいじっているうちに、白い部分と色の部分をうまく使えばドラえもんの顔がふんわり作れそうな気がしてきたのです。こういう直感は外れることも多いので、まずは手を付けて見ようかぐらいのスタートでした。

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作り始めた段階から1点だけ、どうしても拘りたかったのは立体にすること。
人気キャラクターだけあって作例は少なくないのですが、僕の拙い知識と検索技術で見つけられた範囲では全ての作品がほぼ平面で仕上げられていました。おきあがりこぼしがモデルになったというあの丸々とした体躯からこそ、彼の福々しさとふてぶてしさは湧き上がっていると思うのですが、平面にしてしまうとだいぶその雰囲気が削がれてしまいます。立体的にまとめることで、なんとかあの佇まいを表現したいと考えました。

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試作一號機。この時点では、限られたパーツで無理やりディティールを作っても綺麗な仕上がりにならないだろうと踏んで、口は作らずデフォルメした姿を目指してみたのですが、家族からだいぶ不評。顔だけなのか全身なのかもわからないし、言われれば見えなくもないけれど……と散々な言われようで、割と心が折れました……ただ、逆に火が付いたのも事実です笑。

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試作二號機。最初に諦めていた口を何とか折り出し、かなりそれらしさは増してきました。が、ちょっとこなれていない印象があります。「未来の国からはるばると」で初めて登場したときのプロポーションに違和感があるドラえもんみたいと、こちらも家族のコメントは辛口。

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試作三號機。二號機まではどちらかというと原作に寄せて目を小さく作っていたのですが、アニメの顔のバランスを意識して顔を修正。今度はうんと周囲の反応も良くなりました!実は一號機から折り方のベースはほとんど変えておらず、ひたすらバランス調整をしているだけなので、キャラクターのデザインにおけるサイズの大事さを身に沁みて感じました。とは言え、後ろ姿は「しっぽの生えた冷蔵庫かと思った」とこれまたなかなかの言われ様。

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試作四號機。マイナーチェンジに近くなってきましたが、結構あちこちいじっています。後ろ姿での首のくびれを意識して寸胴になり過ぎないようにすることで、「冷蔵庫」から脱却を目指しました。また、一見顔はそれほど変わらないようですが、余計な線を消すとともに白い部分の輪郭に丸みを持たせ、折筋で髭もつけています。

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試作十號機。この間もちろん作り続けているのですが、変化がわかりづらいので割愛。この段階までに腕と足の折り方を修正し、頭と胴のくびれを全体にはっきり出せるようにしました(構造的には若干無理をしています)。これで折りとしては完成し、手を慣らすために何体か折って、先程の2体までたどりつきました。

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最後に紙を貼ってみているときに気づいてちょっと面白かったのは、僕たち割と色のイメージをコントラストで認識してるんだなというところです。正面から見たときの赤い部分(鼻と首輪)水色で出してるのに対し、同じように赤いはずのしっぽは白で折り出してます。表と違う色で表現されている訳ですが実物を見るとさほど気になりません。それどころかここでしっぽを水色にしてしまうと全然らしく見えない。周りに白や黄色があるのか、水色しかないのかでバランスが違うことを感覚的に掴んでいるのかもしれませんね。

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