Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から~第25回/深海~

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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随分とサボってしまいました(^^;一応記事自体は準備していたのですが。

深海
The deep sea
(地球館1階)

130825_1434~01

今話題の特別展の方ではなく(あちらも非常に面白いですが)、常設展の方です。

深海、と言って何を想像するでしょうか。
ダイオウイカやダイオウグソクムシ、タカアシガニなどの巨大生物?
ミツクリザメやラブカのような不思議な形をしたサメ類?
もちろんそのあたりも面白いのですが、深海の世界は想像以上のバラエティに富んでいます。考えてみれば地球の7割は海な訳ですから、それも当然な訳ではあるのですが。
今日ご紹介するのは、化学合成生態系と呼ばれる陸上の我々からは想像もつかない生態系の展示です。
(ちなみに今回の特別展「深海」は宣伝でこそダイオウイカをフィーチャーしていますが、「ダイオウイカ展」ではなくあくまで「深海展」で、ダイオウイカだけが観たいのであれば常設展で十分ですし、そんなに珍しいものでもありません。それよりも素晴らしいのは非常に多くの液浸標本群であり、化学合成環境や鯨骨群集の展示です。こちらは常設にしたいぐらいです!)

化学合成生態系は、我々が生活している光合成生態系とは全く別の生態系です。光合成生態系が太陽光をエネルギー源とした光合成をおこなう生き物がベースとなった生態系であるのに対し、化学合成生態系は海底から湧き出す化学物質(硫化水素やメタン)をエネルギー源とするバクテリアなどの微生物がベースとなっています。
深海に於いて化学物質が豊富に湧き出す場所、海洋プレートのぶつかる場所や新しく生まれる場所に広がっています。
マイナーな世界だと思われるかもしれませんが、地球の生態系は大きく光合成生態系と化学合成生態系に分けられるのです。

ここではそんな化学合成生態系を模型と映像で展示しています。

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この模型では化学合成生態系の中では大型な生き物が展示されています。
左からちょこっと顔を出している細長いチューブのようなものがハオリムシ(英名tube worm)、その下に生えているのがシロウリガイ。それから右手奥に居るカニのようなエビのような生き物がシンカイコシオリエビ。こいつらは鰓などでバクテリアを育ててそれを栄養としています。養殖事業家たちですね^^
真ん中にいるカニはユノハナガニ。こいつらは肉食性で、周りの生き物を食べています。
一見普通のカイやらカニやらのようですが、こいつらはヒトには猛毒の硫化水素のたっぷり含まれた環境で生活しているのです。

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化学合成生態系の中では、化学物質が熱水と共に噴出します。熱水の噴出する穴の周りには溶けていた物質が澱のように積もり、塔を作ります。この熱水の噴出する穴を熱水噴出孔、澱でできた塔をチムニー(即ち煙突ですね^^)と呼びます。
この周辺では生物を構成する6つの重要な化学物質(酸素、炭素、水素、窒素、硫黄、そして燐)が豊富に存在します。このため、こうした化学合成環境下で最初の生命が誕生したのではないかと言われています。

<参考>
・特別展深海 ―挑戦の歩みと驚異の生きものたち― 図録/国立科学博物館/2013
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