Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

オペラなひと♪千夜一夜 ~第五十二夜/生命の息吹~

女声が続きます。

実は今日の主役ポップは長らく書きたかったのですが、彼女を書くなら聴かねばならないだろうという音源が多かったので、その間にバンブリーをと思い立ったもののバンブリーを書いている途中でやはりヴェーヌスをちゃんと聴かねばと思い、それを用意している間に次回予定の歌手を書こうと思ったらその人も聴かねばな音源に気づき、ならホーンをと思ったら今度はタンクレディをきちんと聴かねばとなり、そうこうするうちにポップもあらかた聴きたい音源を聴き終えてしまい、なんてことをやっていたのでこんなことに。お蔭で女声のストックが尽きそうです(^^;いやまだそりゃフレーニとかステッラとかヴィシニェフスカヤとかベルガンサとかバルツァとか外せない人はいますが…そう思うとまだまだ全然ダメだなこのシリーズ汗。

Popp.jpg


ルチア・ポップ
(Lucia Popp)
1939~1993
Soprano
Slovakia

前置きが長くなりましたが、今回はポップ。
どちらかと言えば独系のレパートリーを中心にしていた人なので独人か墺人かと思いきや、スロヴァキア出身で本姓はポポヴァー。あの辺では多い姓ですね^^
その卓越した声と表現力豊かな歌、チャーミングな容貌で知られ、大変な人気がありました(後年だいぶお太りになられていますが^^;)。しかし、歌手としてまだまだこれからと言う時に癌で他界。享年54。
その死から20年が経ちますが、今なお多くのファンがいます。当時のファンはもちろんですが、残された録音によってファンになった人も。このあたり同じように夭逝したヴンダーリッヒやバスティアニーニと同じような現象かもしれません。それだけ素晴らし かったし、素晴らしいものを遺してもいると言うことなのでしょう。
レパートリーは非常に広大で、モーツァルトからJ.シュトラウス、R.シュトラウス、ヴァーグナーにお国もののヤナーチェックを越え、果てはヴェルディ、ドニゼッティに至ります。しかもなんでまたこんな小さな役と思えるような役から、歌曲でも大変活躍をしており、録音も膨大にあり、とてもではないですがまだ全部聴ききることはできていません。今回はその大きな業績の中のほんの一部からではありますが、彼女の素晴らしさをお伝えできればと思います。

<ここがすごい!>
ポップの魅力を物凄く単純に一言で言い表すなら、「生命力」だと思います。
彼女の声からは、歌からは、いつも泉のように湧き出る生命の 息吹のようなものを感じるのです。朝摘んだ果実のようにフレッシュで瑞々しい。その若々しい歌声には、脇役で登場したとしても華があり、思わず耳を傾けざるを得ません。それだけ魅力的であるとともに、存在感のある声だと言っていいでしょう。
スーブレット的な若い娘の役を演じれば、如何にも智慧の回る活力ある女性が目に浮かびます。特に若いころはそうした役回りが多く、身軽で敏捷そうなキャラクター作りが本当に自然で、彼女自身頭の回る人だったんだなと感じさせます。ちょっと小狡いぐらいがちょうど可愛い役、即ちスザンナ(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)やアデーレ(J.シュトラウス『蝙蝠』)なんかはこれ以上があろうか、というハマり役だと思います。

一方で同じ若い女性でももっと奥床しい、品のある女性を演じさせても彼女は天下一品です。例えばアラベラ(R.シュトラウス『アラベラ』)、エリーザベト(R.ヴァーグナー『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』)、それにイリア(W.A.モーツァルト『イドメネオ』)。元気いっぱいのキャラクターに若さを感じさせるのは実は多分そんなに大変じゃないんですね、それよりは上品で控えめな女性を演じながら、そこに若さを感じさせる方が難しい。ともすると単に老けて聴こえるという悲惨な結果になりかねません^^;そこで我らがポップちゃん(通販みたいな文句ですが笑)。彼女の歌い口はこうした役をやる際には上記のスーブレット役の時とはっきり違っていて、より内向的な人物像を創りあげています。しかも、そ こから感じられるのは年長の女性の思い悩みではなく、年若い女性のそれなのです。このあたり元来彼女は女優を目指していたというのが大きいのでしょう。役者としての素養があった上で歌うのとそうでないのでは、はっきり違ってくる部分だと思います。そして、繰り返しになりますが彼女の潤いのある声の力が大きい。これはもう一節歌っただけで楽器の良さを感じさせます。ほんとに、役者ではなく歌手になって呉れて良かったですよね笑。

ここまでの話はどちらかというと歌の「うまみ」に関する部分だった訳ですが、歌の「巧さ」もこの人はずば抜けています。この側面からいうのであれば、何と言っても彼女を一役スターダムにのし上げた夜の女王!(W.A.モーツァルト『魔笛』)これはもうべ らぼうに巧くて、個人的には怒りの表現みたいなところで行くとE.モーザーやダムラウの歌唱が凄まじいなとは思うのですが、あんな歌遺してるポップに文句を言ったら罰が当たる、というレベルです笑。円熟したうまみで唸らせる後年の歌唱ももちろん素晴らしいのですが、どちらかと言えばキャリアの前半に多く遺しているこうした歌についても聴き逃せません。

キャリアの中で徐々にその持ち役を変えて行ったものの、その藝風といいますか、崩しのないきっちりとした歌の中に生き生きとした魂を宿すところは、生涯を通して彼女の持ち味になっていると言えるのではないでしょうか。

<ここは微妙かも(^^;>
ポップちゃんに微妙なところなんてない!(溺愛)
…と言いたいところなんで すが、ときどき高音が割れているような気がするのは気のせい?や、ほっとんどそういうことないんですが、たまーにドキッとするんですが…尤も、そんなん殆ど瑕疵ですが(溺愛)。

<オススメ録音♪>
・スザンナ(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)
ショルティ指揮/レイミー、アレン、テ=カナワ、フォン=シュターデ、モル、ベルビエ、ティアー、ラングリッジ共演/LPO&ロンドン・オペラ合唱団/1981年録音
・アルマヴィーヴァ伯爵夫人(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)
マリナー指揮/ファン=ダム、ヘンドリクス、R.ライモンディ、バルツァ、ロイド、パーマー、バルディン、ジェンキンス共演/アカデミー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1985年録音
>どちらもフィガロを語る上では欠かすことのできない演奏と言っていいでしょう。まずは当たり役スザンナを演じたショルティ盤ですが、これはもう文句なく素晴らしいスザンナです!ころころと湧き出て流れる泉の水のように美しく、生命力に溢れた歌は、まさに彼女の面目躍如というべきもの。よく言われるようにスザンナの出来がこの作品の出来を左右しますし、スザンナはやはりヴィヴィッドな人物として描かれていてほしい所ですから、そういう意味では彼女以上のスザンナはなかなかいないのかなと。共演ではアレンの伯爵がまずは見事で、ノーブルだけど陰険でやらしい人物像をよく作っていると思います。フォン=シュターデやモルをはじめとする脇役たちもまたこれ以上はなかなか望めない豪華なメンバーで、あらまほしき歌唱。ショルティの指揮は嫌う向きもあるようですが、僕はこの作品に欲しい勢いがあると思うし、美しく鳴らして欲しい所は十分に鳴らしていると思います。レイミーがやや立派すぎますが、声・歌とも賞賛すべきもの。これで伯爵夫人がM.プライスとかだったら最高の音盤なのですが…テ=カナワじゃなぁ^^;彼女の品の良くない声が出てくるとぶち壊しになってしまうのが残念であります。
これに対し彼女が伯爵夫人を歌った演奏がこちら。これはちょっと指揮からして色調が違う(マリナーのオペラは僕の知る限り大なり小なりどれもそういう印象です)という感じではあるのですが、僕自身はこういうフィガロもありだなと思っています。名スザンナとして知られたポップはシフト・チェンジをして夫人ではどうかなという気もしましたが、実際聴くと有無を言わさぬ魅力的な歌唱。かつてのロジーナであったことを思わせつつ憂いを含んだ表情で、なかなかこれだけの伯爵夫人はいませんよ!(^^)共演ではこちらも伯爵のR.ライモンディが品格があっていいですね!ファン=ダムのフィガロやヘンドリクスのスザンナも賛否両論ありますが個人的には割と好き。楽しめる異色盤だと思います^^
(2014.10.30追記)
ベーム指揮/プライ、ヴァイクル、ヤノヴィッツ、バルツァ、リドル、リローヴァ、ツェドニク、エキルス共演/ヴィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1980年録音
ポップちゃんのスザンナの上に、伯爵夫人があの人じゃないという個人的には大喜びな音源!(笑)しかもこれ東京でやった演奏だとか!実演で見たらそりゃあテンションあがるよなあ…と思います。スタジオ録音と同様、彼女は全身から生命力が湧きでるような歌唱で文句ありません!ライヴ音源で聴くとまたこのひとこそスザンナ!と思うこと一入ですね^^彼女とコンビを組むプライは衰えこそあるもののフィガロになりきった歌唱で、崩しもありますが守破離の離の境地まで至っていると言ってもいいのではないかと。この2人のフィガロとスザンナの鉄壁と言えるコンビが、全体を引っ張っていると思います。意外と録音のないヴァイクルの伯爵、淑やかなヤノヴィッツの伯爵夫人もお見事ですし、脇も揃っていますが、ここでのバルツァのあまりにも伊もの然としたケルビーノはいただけません。ベーム御大も最晩年ということで、決めどころは兎も角全体に音楽が弛緩気味なのも惜しい。とはいえ、楽しめる音源であることに間違いはないかと!

・アデーレ(J.シュトラウス2世『こうもり』)
C.クライバー指揮/プライ、ヴァラディ、レブロフ、コロ、ヴァイクル、クッシェ、グルーバー/バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1975年録音
>不滅の名盤!もうこの演奏が素晴らしいことは言を俟ちませんが(笑)アデーレにポップというのはちょっと豪華すぎるぐらいの配役ではありますが、やはりあの2つの楽しいアリアを彼女の歌で楽しめるというのは大きいですね^^非常に闊達な役作りで、この人の喜劇への適性をよく感じさせます。プライのとぼけたアイゼンシュタインはじめほかのメンバーとの絡みの部分でも、軽妙で人を食ったような雰囲気で笑わせてくれます。そのプライはじめ共演もそろっていますし(レブロフは趣味がわかれるところでしょうが^^;)、何といってもクライバーの指揮!

・ブロントヒェン(W.A.モーツァルト『後宮からの逃走』)
クリップス指揮/ローテンベルガー、ゲッダ、ウンガー、フリック、ルドルフ共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1966年録音
>これもどちらかというと地味な扱いを受けていますが、この作品の決定盤と言ってもいい超名盤でしょう!ブロントヒェンはまた活力溢れた娘役ですから、初期の彼女の歌唱が合わないはずがありません(笑)とはいえキャラクターとしては非常に魅力的ながらあてられている音楽(特にアリア)は割と単純な繰り返しも多いので、ヘタクソな歌手が歌うと退屈してしまいますが、そこは我らがポップちゃん!まったく飽きさせずに楽しませてくれます^^相方ウンガーのコミカルな演唱も楽しいですし、千両役者というべき貫録のフリック、優男ながら力強さもあるゲッダも素晴らしい!ですが、ここでのローテンベルガーの歌いぶりには心底参りました。こんなに情感のある歌の歌える人だったとは!

・ゾフィー(R.シュトラウス『薔薇の騎士』)
フォン=ドホナーニ指揮/ヤノヴィッツ、ミントン、モル、グートシュタイン、パヴァロッティ共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1978年録音
>これも比較的マイナーな音盤だと思うのですが、いい演奏だと思います。ポップはここではゾフィーですからそんなに大きな役ではありませんが、その清純で華のある存在感はやはり秀逸。マルシャリンとオクタヴィアンに挟まれて意外と地味なこの役が印象的に聴こえるのは流石です。ミントンとのアンサンブルは官能的ともいえる出来栄えで、この人シュトラウスの適性あるなあと(まあ最後の最後で崩れたり瑕疵もあるんですが)。フォン=ドホナーニの優雅なオーケストラ、特にオックスの退場なんかは堂々たるもの。共演陣ヤノヴィッツの涼やかなマルシャリンもいいですが、モルのオックスが重厚な声なのにコミカルでいい!

・アラベラ(R.シュトラウス『アラベラ』)
サヴァリッシュ指揮/ヴァイクル、Ju.カウフマン、ザイフェルト、クーン、ヤーン、ホプファヴィーザー、シーデン共演/バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1989年録音
>この作品、実はしっかり聴いたのはこれが初めてだったのですがこれで一発で夢中になってしまいました!世紀の名演と言っていいと思います!ポップはもう晩年の歌唱ではあるのですが、そんなことは全然感じさせない娘ぶり。社交界の話題をさらう、まさに華のあるチャーミングなキャラクターを地で行ってしまっているところがまったくもって恐ろしいと申しましょうか。1幕の最後で自分の陶酔の世界に入っている独白の場面なども思わず感情移入してしまいますし、R.シュトラウスお得意の女性の重唱もまったくもって美しい。終幕にマンドリカを許す場面などは、フィガロの結婚の最後と並ぶ赦しの場面で殆ど奇跡の如くです。共演では男ぶりが素晴らしいヴァイクルが何と言っても見事でしょう!ヒロインよりも少し歳の行った寡ではあるものの、まだ枯れていない男っぷりのいい血気盛んな人物を演じるのに彼以上の人はいないのではないかと思わせます(実際にはポップちゃんのが2歳ぐらい年上なんだけどねw)。ジュリー・カウフマン(イニシャルだけ取るとあの気持ち悪い声のテノールみたいですが^^;)はここでしか聞いたことがありませんが、ポップとのアンサンブルの美しさ、少年にも少女にも見える容貌などまさに理想的なズデンカでしょう。張りのある美声を聴かせるザイフェルトと対照的にコミカルなホプファーヴィーザー、おちゃらけた中にも意外な父性を感じさせるクーンの伯爵、彼といいコンビのヤーン、花を添えるシーデルのミリといったその他の共演もまったく欠けがないですし、サヴァリッシュの采配もお見事!これ以上のアラベラはないのではないかと思います。これ、東京でやったんですよね…奇跡だわ…

・エリーザベト(R.ヴァーグナー『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』)
ハイティンク指揮/ケーニヒ、マイヤー、ヴァイクル、モル、イェルザレム共演/バイエルン放送交響楽団&合唱団/1985年録音
>いいところと悪いところとある演奏ではありますが、ポップのエリーザベトを聴くためだけにこれを聴いてもいいと思います。エリーザベトをやるには声質は軽めなのでしょうが、その身の詰まった芳醇な声が、この清純派の娘をより魅力的にしているのは間違いありません。祈りなどまことにお見事。ここでも共演しているヴァイクルとモルはいずれも充実した歌唱。特にヴァイクルのヴォルフラムは絶品ですね^^ハイティンクの指揮は評判悪いですが、確かに温度は低いかもしれませんが緻密な感じがして結構好き。それよりもパンチのないケーニヒとマイヤーの方が問題でしょう^^;

・イリア(W.A.モーツァルト『イドメネオ』)
プリッチャード指揮/パヴァロッティ、グルベロヴァー、バルツァ、ヌッチ、ストロジェフ、山路共演/WPO&ヴィーン国立歌劇場合唱団/1983年録音
>不滅の名盤!格調高い古典悲劇の世界を現出するプリッチャードの音楽の中で、どちらかと言えばお人形さん的な役だと思うイリアですが、彼女が歌えばぐっと印象的に!もちろんコミカルをやっているときとは全く違う意味での演技巧者っぷりを発揮しているわけです。即ち、強烈なキャラクターを打ち出すグルベロヴァーに対し、清純派の役作りでこれだけ対抗できるポップってすごいなとwまさしく圧倒的なパヴァロッティをはじめ共演も揃っており、この作品がちょっとつまらないと思っている向きには是非ぜひ一度お聴きいただきたいと思います。

・夜の女王(W.A.モーツァルト『魔笛』)
クレンペラー指揮/フリック、ゲッダ、ベリー、ヤノヴィッツ、クラス、シュヴァルツコップフ、ルートヴィッヒ、へフゲン、ピュッツ、ウンガー共演/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&合唱団/1964年録音
>いろいろなご意見はあるかと思いますが、これも名盤だと思います。上述もしましたが、この夜の女王は一聴の価値ありです。どちらのアリアも怒りまくっているというイメージではないものの、その尽きることがないのではないかと思われる美声と優れた歌唱技術はまさに圧倒的な夜の女王というべきもの。これに文句なんかつけられませんよ(笑)明るくて力強いけど頼りなさげなゲッダ、抑えた歌唱のフリック、相変わらず藝達者なベリー、抒情的なヤノヴィッツもいいんですが謎に豪華な3人の侍女と弁者が印象に残ります。ただ、科白抜きというのは意図はわかるのですが音楽的にはクライマックスが連続してちょっと疲れますね^^;

・アディーナ(G.ドニゼッティ『愛の妙薬』)
ヴァルベルク指揮/P.ドヴォルスキー、ヴァイクル、ネステレンコ共演/ミュンヘン放送管弦楽団&バイエルン放送合唱団/1981年録音
>ええ異色盤ですよ、でもこれはこの作品の演奏史に残るものだと思います!イタオペの固定観念から外れた所で、この作品がこれだけフレッシュな魅力を持っているのを示したという意味でこれは非常に重要です。そうした意義付けの中でのポップのアディーナ、彼女の知的な歌唱がこの「村で一番利口で美人な娘」というキャラクターをものすごくリアルなものにしているのは間違いありません。この役の場合はアディーナやブロントヒェンのような普通のスーブレットよりも思い悩む部分や抒情的な部分が多く、その分高度だと思うのですが、そのあたりは彼女の面目躍如たる所。ここでも共演しているヴァイクルはベルコーレとしては最高の歌唱ではないかと思います。男ぶりのいい歌い方で、気位が高いイケメンなキャラクターをよく作っていると思いますし、アリアの最後の高音も刺激的!ネステレンコの重厚すぎるぐらいのドゥルカマーラも聴きごたえ満点で、こういう深いしっかりした声でこの役をやっても面白んだなと。兄ドヴォルスキーは若さが目立つとはいえそれが僕はプラスになっていると思います。

・ノリーナ(G.ドニゼッティ『ドン・パスクァーレ』)
ヴァルベルク指揮/ネステレンコ、アライサ、ヴァイクル共演/ミュンヘン放送管弦楽団&バイエルン放送合唱団/1979年録音
>上記の『愛の妙薬』と同じような意味で重要な音盤でしょう。まじめであまり楽しくないという声も聴きますが、イタオペ的なスットコドッコイを求めすぎなければそんなことはないと思います。こちらでも頭の回転が速くて気の強い娘っぷりが非常に魅力的。何とかエルネストとの結婚を取り付けようとあの手この手繰り広げる姿は痛快ですらあります。こちらでも登場するネステレンコとヴァイクル、コミカルというのとはまたちょっと違うのですが、この人たちもまた非常に達者。例の早口2重唱などはまさに痛快そのものと言っていいでしょう。そしてここでは優男はアライサです!この頃の彼は何を歌っても本当に素晴らしい!彼の品格ある声と歌い回し、そして高音にはノックアウトされてしまうこと請け合いです。超おススメ。

・ムゼッタ(G.プッチーニ『ラ=ボエーム』)
C.クライバー指揮/パヴァロッティ、コトルバシュ、カプッチッリ、ネステレンコ、ジョルジェッティ共演/ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団/1979年録音
>この作品の最高の演奏の一つではないかと思います。評価の高いクライバーの『ラ=ボエーム』をこうして聴けるのは嬉しい所。ムゼッタというのはプッチーニ最高の音楽を充てられている役だと個人的には思うのですが、どうにもあまりいい歌手・いい演奏に巡り合えないのですが、そんな中で渇を癒してくれるのがこの演奏です。ポップとしては割と異色な役だと思うのですが、程よい色気といい溢れるような生命力といい本当に素晴らしいムゼッタ!輝き溢れるパヴァロッティ、めそめそしたキャラにあったコトルバシュ、渋く固めるネステレンコとメンバーも揃っていますが、カプッチッリはマルチェッロには立派すぎやしないかい?wwバスティアニーニのときも同じように思ったんだが、この役はやっぱりパネライだよ~。とはいえアンサンブルはいいので、ムゼッタのワルツが感動的な出来だと思います!
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