Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

オペラなひと♪千夜一夜 ~第五十六夜/風格ある名優~

前回と同姓繋がりでこの人を。
この人については非常に詳しい方をネット上で一方的に存じ上げているので、私風情の所感を書き連ねるのは非常に恐縮と言いますか、恥ずかしい限りでもあるのですが…^^;

R-Raimondi.jpg


ルッジェーロ・ライモンディ
(Ruggero Raimondi)
1941~
Bass
Italy

久々に現在も活動されている方ですね笑。泣く子も黙る現代伊もの歌手の大物です。

深みと味わいはあるけれども明るい音色の美声は、まさに伊国バスそのもの。個人的には伊国の正統的なバスの系譜のなかで、ピンツァやシエピからのバトンを受け、現代のスカンディウッツィへと繋ぐ世代の最も重要な歌手の1人だと思っています。若いころの声の豊麗さは、録音史に残るものと言っていいでしょうし、その表現のセンスの良さも特筆すべきもの。そのひと癖ある役作りは、声が最盛期を過ぎたあとの録音でも楽しむことができます。

レパートリーは伊ものを中心にかなり広いです。録音だけ俎上に取ればやはりヴェルディが多い、と言うことになりますが、ヴェルディ以外の作品のイメージもかなり強く、例えばカプッチッリのようなヴェルディ歌いという印象は意外と薄いような気もします。またバスとしては比較的高めな声質だということもあって、アルマヴィーヴァ伯爵(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)、スカルピア男爵(G.プッチーニ『トスカ』)といったバリトン役でも印象的な歌唱を繰り広げています。軸はありながらも非常に多彩な活躍をしているひとだと言えるでしょう。

<ここがすごい!>
全く個人的な話ですが、ライモンディの歌を聴くときには、若い頃のものであればその美声に、歳を重ねてからのものであればその表現力にと、自然と自分は楽しみ方を変えているようです。一方で歌手としての持ち味そのものが大きく変わっているようには思わないので、全盛期の声の素晴らしさと経験を積むことで磨きのかかる表現のいずれもが、卓越したものだからでしょう。と言っても別に若い時の彼に表現力がないかと言えばそんなことは全然ないし、歳とって衰えたにしても持ち声の素晴らしさは感じられます。巧く言えないんですが、声も表現もずっとライモンディなんだけれども、そのいい部分がちょっとずつシフトしていくと言いますか。確実なのは、そんな風に感じられるのはごくごく少数の非凡な歌手だけだということです。

全盛期の声は、実に豊かでしなやか。まろやかで深みのあるたっぷりとした美声であり、一声で大器を感じさせます。歌のフォルムも美しく、悠然としていてとても力強いです。バスはどうしても年増の役が多い訳ですけれども、その時期の彼の歌はより艶やかさを持った、堂々たる偉丈夫を想起させます。人々を率いる精悍な英雄を思わせるこのころの彼の録音で印象的なのは、例えばアッティラ(G.F.F.ヴェルディ『アッティラ』)でありプローチダ(同『シチリアの晩禱』)です。いずれの役もヴェルディの作品の中ではイマイチな人物造形だったり作品だったりする訳ですが、役としての美質を良く引き出しており、そういった欠点を忘れさせるほどの立派な歌唱を披露しています。特にアッティラで見せる王者の風格は見事なもので、録音としてる聴けるこの役のベストのひとつでしょう。

また、この時期からその表現力には目を見張るものがあり、声から感じられるような先ほどのイメージからはほど遠い役、例えば修道院長(G.F.F.ヴェルディ『運命の力』)、宗教裁判長(同『ドン・カルロ』)、パガーノ(同『第1回十字軍のロンバルディア人』)でも迫力のある独特のキャラクターを作りだしています。こうしたものの中では特にパガーノが素晴らしい!未だに記録として楽しむことのできるこの役の歌唱では頭一つ抜けていると思います。表現力と言うところで言えば、コミカルな歌唱が必要とされるブッフォの役どころでも独特の存在感を楽しむことができます。といっても、この人の場合は如何にもブッフォというような役回りと言うよりは、どちらかと言えば物語を斜めに見るような、ちょっと第三者的な役を演じたときに光るような気がします。こうした表現や演技はやろうとしてやれるものでもないでしょうし、彼生来の知的さによって支えられているものだと思います。

バリトンの諸役についても忘れてはなりません。高めの声質とは言え、彼はやはりバッソ・カンタンテであり、バリトン役も何でもござれというひとではないように思います。しかし、当初高名な指揮者に勧められたことがきっかけで彼が手にした2つのバリトン役、即ちアルマヴィーヴァ伯爵とスカルピア男爵については、彼の持つ貴族的な雰囲気と知性に満ちた達者な演技力とによって、彼を語る上で欠かせないものとなっていると思います。いずれの役も通常取られるような解釈とは一味違い、彼らが持つ厭らしさや執念を表に出すのではなく飽くまで上品さで包みながら、その厭らしさをそこはかとなく感じさせるという藝達者なことをやっています。いずれも押さえておきたい録音でしょう。

<ここは微妙かも(^^;>
圧倒的な感銘を受ける録音がある一方で、いつもと同じくきっちりしっかり歌っているのにいまいち感興に乏しい音源もあるんですよね^^;なんでそう思うのか僕自身も良くわかっていないのですが…基本的には甘みの強い声だというのは間違いなくあって、全体にはどちらかと言えばやはり老齢な役よりも若々しい役の方がマッチしているようには思うのですが…修道院長や宗教裁判長みたいな例もあるしな…うーん…。どういう訳だか如何にも彼の本領が発揮されそうなフィリッポ2世(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)やフィエスコ(同『シモン・ボッカネグラ』)はいまのところそんなにいいと思えてません。フィリッポはカラヤン指揮の新譜が出たらしいのでちょっと楽しみ^^新譜入手しました!詳細は後述しますがライモンディファンの溜飲を下げるものだと思います!(2014.9.2追記)
そういうところを指して、何故かよくギャウロフと較べてどうとかこうとか言うのをよく聞きますが、それはお角が違うような。この2人はギャウロフ贔屓の僕から聴いてもあまりにもキャラクターが違うと思うんですよね。もちろん、だからどっちがエラいとかではないです。

また上でもちょっと述べましたが、思いっきりブッフォって言う役どころはちょっと違うかなと。ドン・マニフィコ(G.ロッシーニ『チェネレントラ』)やムスタファ(同『アルジェのイタリア女』)の録音もあり、どちらも立派な歌唱ではあるのですがいま一つ。ライモンディは非常に知的な分析と計算の上でこれらの役を演じているのは間違いないと思うのですが、これらにはやはり天然のオモシロオカシさが欲しいところなんだと思います。となるとコレナやダーラ、モンタルソロあたりを聴いてしまうと弾けるような愉悦、と言う点で遜色が出てしまいますね。

<オススメ録音♪>
・アッティラ(G.F.F.ヴェルディ『アッティラ』)
ガルデッリ指揮/ドイテコム、ベルゴンツィ、ミルンズ共演/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1972年録音
>これ、あんまり言及されないような気がしますが超名盤だと思います。何より題名役のライモンディの歌声と存在感が実にすばらしい!異民族の野性味と言うところで行けば、ギャウロフ、ネステレンコやフルラネットあたりの方があるようには思うのですが、その威風堂々たる王者ぶりには痺れます。また一方では、彼の独特の甘みが、戀によって破滅していく男の等身大の姿を、他の歌手よりもリアルに表現しているような気がします。恰幅と男ぶりのいいミルンズ、いつもながら端整なベルゴンツィ、しっかりとした音楽を作るガルデッリはいずれもお見事。ドイテコムの硬質な声が好みかどうかが問題でしょうが、歌唱そのものは評価できると思います。

・ジョヴァンニ・ダ=プローチダ(G.F.F.ヴェルディ『シチリアの晩禱』)
レヴァイン指揮/ドミンゴ、アローヨ、ミルンズ共演/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&ジョン・オールディス合唱団/1974年録音
>数少ないこの作品の録音の中でも筆頭に挙げられるもののひとつでしょう。役そのものは重要だし史実に登場する有名人だしという割には、いまいちきちんと描かれていないというか、まあ書割感の強い役ではあるのですが、そうした欠点を忘れさせてくれるほどライモンディの歌が立派です。力強く横溢した声は、まさに革命のリーダーそのものであり、なるほどこうした人物であれば民意を集めることができるだろうと思わせます。ドミンゴ、ミルンズもこうした大河ドラマにはピッタリのたっぷりとした声で楽しめます(高音がダメなドミンゴがハイDを決めている!)。こういう作品でのレヴァインは結構好き。アローヨが声は見事なんですが転がってないのが惜しい。ここはL.プライスとかだったら不滅の名盤だったかもしれません。

・パガーノ(G.F.F.ヴェルディ『第1回十字軍のロンバルディア人』)
ガルデッリ指揮/ドイテコム、ドミンゴ、ロ=モナコ共演/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団
/1971年録音
ガヴァッツェーニ指揮/スコット、パヴァロッティ、グリッリ共演/ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団/1969年録音
>非常に難しいけれども、彼の本領が発揮されている役だと言っていいでしょう。録音史に於いて右に出るものがいない金字塔をどちらの録音でも残していると思います。正直なことを言えば、ガルデッリ盤はライモンディが出ていなかったらまあこんなもんかなぐらいの音源だと思います。ドイテコムもドミンゴもしっかりした歌唱ではあるのですが、彼らにピッタリくる役ではないですし、「高水準」という評価以上ではないでしょう。ライモンディもの最も声の豊かだった時期に、いい音質でこれが遺されたことは非常に意義があります。彼はルサンチマンの塊である複雑な性格のこの役を、かなり研究して演じていると思います。彼に加えてよりこの作品に向いたスコット、パヴァロッティ、グリッリが共演したライヴの音源であるガヴァッツェーニ盤は、音質さえもっと良ければこの作品の決定盤になっていたに違いない凄演です。特に各人鬼気迫る歌唱なのですが、その中でも充分に主役としての存在感を見せつけているライモンディは、まったく見事と言うほかありません。ライヴに抵抗がなければ是が非でも!

・修道院長(G.F.F.ヴェルディ『運命の力』)
ガルデッリ指揮/ベルゴンツィ、アローヨ、カプッチッリ、エヴァンズ、カゾーニ共演/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1972年録音
>この音源は綺羅星のようなメンバーから想像するほど凄まじい演奏では実はないのですが、その中で彼の演ずる修道院長がひときわ光っています。最初の一声からずっしりと重々しい迫力があります。彼が登場する場面では、荘重で厳粛な雰囲気をしっかり出して呉れるので、例えばレオノーラが修道院に入る場面や終幕での説得力が違います。ベルゴンツィ、アローヨ、カプッチッリはいずれも端整な歌いぶりで音楽としては非常に魅力的なのですが、もう少しヴェルディらしい熱気が欲しいところも。これはガルデッリの指揮に起因するような気もします。とはいえ、滅多に聴けない最初の決闘をベルゴンツィとカプッチッリで聴けるのは儲けものです。その他の人たちが一段落ちるのが残念。

・バンクォー(G.F.F.ヴェルディ『マクベス』)
ムーティ指揮/ミルンズ、コッソット、カレーラス共演/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1976年録音
>やや平均的な演奏なような気もしますが、名盤でしょう。ライモンディは登場場面は少ないながらも印象的な歌唱を披露しています。特にアリアでの不吉な雰囲気は特筆すべきもので、全曲の白眉と言っても過言ではないように思います。カレーラスも痛々しい雰囲気がよく伝わってくる名唱。ミルンズはたっぷりした声を巧いこと使って等身大のマクベスを作っているように思いますが、もう少し力強さが欲しい。コッソットはパワフルだけれども、凄んで欲しい低音がいまひとつで(何故かこれはメゾのマクベス夫人全般に言えるのだけれど)消化不良。ムーティは『ナブッコ』や『アイーダ』ほどではないにしても熱の籠った指揮ぶりで◎

・宗教裁判長(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)
フォン=カラヤン指揮/ギャウロフ、カレーラス、フレーニ、バルツァ、カプッチッリ、ファン=ダム、グルベロヴァー、ヘンドリクス共演/BPO&ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団/1978年録音
>言わずと知れた不滅の名盤。キャストにはスターがズラリ。但し、鳴らしまくるフォン=カラヤンがお好みかどうかというところ。個人的にはこういう演奏もありかもしれないとは思うが、オペラと言うよりは声楽付交響曲。それはさておき、実は昔はこの録音のアキレス腱がライモンディだと思っていて、ギャウロフに較べて若々しい声が宗教裁判長の不気味な雰囲気を出せていないと感じていました。が、最近再び聴いてみると、その声の分での不足を彼は練り込まれた表現で補っていて、これはこれでアプローチとしては成功ではないかと言う気がしています。確かに凄みという部分では劣るのですが、その粘着質で爬虫類的な雰囲気は、この役に違う角度から光を当てているように思います。歌は、声の適性だけでは判断できないことを如実に示しているようです。

・フィリッポ2世(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)2014.9.2追記
フォン=カラヤン指揮/カレーラス、フレーニ、バルツァ、カプッチッリ、サルミネン、ローニ、グルベロヴァー、T.モーザー共演/ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/1979年録音
>追記するのがすっかり遅くなってしまいました^^;上記のとおりライモンディについては素晴らしい録音!彼がフィリッポで真価を発揮した録音が、漸くこうして世の中に出てきたことは、まさに喜ぶべきことだと思います。声は正に脂の乗り切った時期で、しかも一方できちんと役柄の枯れた味わいを出しており、若く甘過ぎるジュリーニ盤やウェット過ぎるアバド仏語盤とは明らかに一線を画す充実した歌唱。歌唱的にも演劇的にも知的な解釈とコントロールが効いていて、しみじみ彼の頭の良さと藝の良さを感じさせます。でまたサルミネンが絶好調で、彼一流の巨大で邪悪な声でごりごり迫ってくるもんだからまあこのふたりの対決の聴き応えと言ったら!ライヴで乗ってるというのもあると思いますが、ここは蓋し迫真の演唱と言うべきものでしょう。そしてカレーラス、フレーニ、バルツァは圧倒的大熱唱!カプッチッリもいつもながらのパワフルな歌いぶりです。修道士にローニ、天の声にグルベロヴァー、伝令にモーザーという贅沢な脇役達も短い出番でも唸らされる素晴らしい歌唱。しかし…重厚を通り越して鈍重なフォン=カラヤンの指揮&盛大な謎カットのせいで手放しで名盤と言えないのが何とも歯痒い。。。

・モゼ(G.ロッシーニ『エジプトのモゼ』)
シモーネ指揮/アンダーソン、パラシオ、ニムスゲルン、ガル共演/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1981年録音
>『モゼ』は作曲経緯が非常に煩雑な作品で、この当初伊国向きに作曲された『エジプトのモゼ』の形での音源は意外と珍しいです。その数少ない音源として十二分に存在感を発揮しているのがこの音盤であり、ライモンディも題名役の名に恥じない活躍をしています。声そのもののピークは過ぎて来ているようにも思うのですが、自信に満ちた歌唱は宗教家らしい威厳に満ちており、ヴェテランらしい味を出しています。実際には主役と言ってもいいアンダーソンやパラシオの歌唱もロッシーニ・ルネサンスの先駆者らしい技巧的なもの。ニムスゲルンはやや異質ではあるのですが、意外と小回りも利くし、悪役っぽい声質が暴君らしくていいです。

・ドン・バジリオ(G.ロッシーニ『セビリャの理髪師』)
レヴァイン指揮/ゲッダ、ミルンズ、シルズ、カペッキ、バルビエーリ共演/ロンドン響&ジョン・オールディス合唱団/1975年録音
>一時代古いスタイルの演奏なのは十分承知の上で、それでもなおロッシーニの愉悦を感じさせてくれる魅力的な録音。彼のブッフォ役はここでいうところのバルトロのような底抜けな面白さを感じさせるというよりは、もっと斜に構えたポジションであるバジリオでこそ活きるように思います。まあすっとぼけてるんですが計算してる感じがいい笑。また、ここでも品のある雰囲気が逆に面白かったりもします。共演は各人個性的で、或る意味でバランスが取れています。

・ドン・プロフォンド(G.ロッシーニ『ランスへの旅』)
アバド指揮/ガズディア、クベッリ、リッチャレッリ、ヴァレンティーニ=テッラーニ、アライサ、E.ヒメネス、ヌッチ、ダーラ、レイミー、スルヤン、ガヴァッツィ、マッテウッツィ共演/ヨーロッパ室内管弦楽団&プラハ・フィルハーモニー合唱団/1984年録音
>よくもまあこんなメンバー集めて呉れちゃいました!という不滅の名盤。筋なんて無い極上のガラ・コンサートというべき本作で、各人が120%を出しています。これがライヴだというのだからたまげます。この役を蘇演した彼以上に、このプロフォンドと言う役をオモシロオカシく歌える歌手は、残念ながらまだ登場していないでしょう。何より各国人の持ち物をその国の人っぽい伊語で歌うなんて芸当は、そうそうできるもんじゃないwもちろん、例の14重唱(!)でもしっかりとキャラを立たせています。

・アルマヴィーヴァ伯爵(W.A.モーツァルト『フィガロの結婚』)
マリナー指揮/ファン=ダム、ヘンドリクス、ポップ、バルツァ、ロイド、パーマー、バルディン、ジェンキンス共演/アカデミー管弦楽団&アンブロジアン・オペラ合唱団/1985年録音
>超名盤。また個性的な人をたくさん集めたフィガロで、各々のキャラクターがしっかり出ているのが音源としてこの作品を聴いていても劇として飽きさせない理由でしょう。伯爵はバリトンがやるのが一般的で、ここでの彼の起用はちょっと意外な気もする訳ですが、品格で包んでいるものの強権的で下心のある人物像を巧みに出していると思います。また、単なる間の抜けた悪役ではなく、結構頭は切れそうな感じが出ているのもいい。前述のとおり共演は優れていますが、やはり瑞々しいポップが出色。

・スカルピア男爵(G.プッチーニ『トスカ』)
フォン=カラヤン指揮/リッチャレッリ、カレーラス、ホーニク共演/BPO、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団&シェーネベルク少年合唱団/1979年録音
>これもフォン=カラヤン節が好きか嫌いかでだいぶ印象が変わってくる音源ですね。『ドン・カルロ』同様声楽付交響曲っぽい演奏ではあるのですが、こっちの方が違和感はないかな。固辞したライモンディを是非にとフォン=カラヤンが口説いてやらせたスカルピア男爵がこれな訳ですが、従前の如何にも悪役と言う人物造形とは一線を画すユニークな歌唱だと思います。一見すると立派で信頼の置ける人物に見えてしまうスカルピア。イァーゴでも最近はそういったキャラづくりをする人が結構出てきましたが、或る意味ではその走りと言いますか。F=Dのスカルピアにも同様のところはありますが、より伊的な歌唱だと思います。
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