Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

オペラなひと♪千夜一夜 ~第十一夜/新世代のカルメン~

メゾは最近良いひとが多くて実際どのひとを今回紹介しようかかなり真剣に悩みました(^^;
ボロディナやザージックも良いし、新しいひとだとガランチャなんかも素晴らしい…で、結局のところ今回はこのひとにしてみました。

Domashenko2.jpg
Carmen

マリーナ・ドマシェンコ
(Marina Domashenko, Марина Домашенко)
Unknown
Mezzo Soprano
Russia

あちこち探したのに何歳だか結局よくわからん!!
ドマシェンコのアルバムも見たのに生年が見つからない!!
しかしまあとりあえず凄く若い世代のひとであることは確か(笑)

大変な露国美女でございますwww
ギャグみたいに書きましたがオペラは総合芸術ですから、視覚的に美しいと言うことはそれだけでも大特典です。特にいまは映像ソフトが出回る時代ですからこの部分は非常に大きい。

そして、もちろんそれだけではございません。

<ここがすごい!>
その美貌から想像するよりも遥かに太い豊かなメゾ、というよりもほぼアルト声です。それはもう、こんな綺麗なひとがこんなドスの効いた低音質の声が出るのかと驚かざるを得ない。こんな声で口説かれてみたいですね(笑)露国や東欧に特有のビロードのような耳触りの非常にしっとりとした声質。上から下まで十分に響く声、均一な声に聴こえるというのも魅力です。

で、そうするとどんな役で人気が出るかと言えば、やっぱりファム=ファタール(宿命の女)といった感じの役回り。そもそもメゾと言うのはそう言った役が多いので、そうなるとこれからは彼女の独壇場とでも言うべき活躍が期待できる訳です。例を挙げるならばやっぱりG.ビゼー『カルメン』の題名役、そしてC.サン=サーンス『サムソンとデリラ』のデリラ役あたりが最初にあがってくるでしょう。20世紀にアグネス・バルツァやリタ・ゴールあたりが輝かしい業績を残していった分野に、21世紀は彼女が新たな金字塔を打ち立てて呉れるのを、個人的には期待しています。
特にカルメンは素晴らしい。歌唱のみを取り出した時にはまだ伸びしろがあるようにも思えますが、その雰囲気、仕草と言った部分を総合的に見たときに、彼女のカルメンはベストというべきものではないかと考えています。

何度も述べている通り綺麗なひとなので可哀想な役、みたいなものでもかなり見せて呉れます。G.F.F.ヴェルディ『ナブッコ』のフェネーナなどは、映像が出たときにかなり話題になりました(ここではアビガイッレを歌うこれも露国のソプラノ、マリア・グレギーナと好対照をなしたと言うことも言えるかも)。お国もののМ.П.ムソルグスキー『ホヴァーシナ』のマリーナやН.А.リムスキー=コルサコフ『皇帝の花嫁』のリュバーシャなどでももちろん充実した演唱です。

<ここは微妙かも(^^;>
これからはわかりませんがまだ迫力で押していくような役、例えば『イル=トロヴァトーレ』のアズチェーナ、同『仮面舞踏会』のウルリーカ、同『ドン=カルロ』のエボリ公女といったようなG.F.F.ヴェルディの諸役などでは不満が残るかと。『アイーダ』のアムネリスなどはそろそろ歌ってみてもらいたい気もしますが。

G.ロッシーニの作品などでは達者なコロラトゥーラを見せて呉れていますが、抱腹絶倒のあの世界を表現するには至っていないようには思います。と言ってこちらの方向に別に無理して進むこともないようにも思いますが。

<オススメ録音♪>
・カルメン(G.ビゼー『カルメン』)
ロンバール指揮/ベルティ、アチェット、ダシュク共演/アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団&合唱団/2003年録音
>何と言ってもまずこのひとの真価がわかるのはカルメンだと言うべきでしょう。バルツァとはまた違うカルメン像を打ち出していますが、まだまだこれからの発展も期待できるのではないかと思います。こんな目で見られたらたまんないですね。ただこの映像はドマシェンコ以外の歌がどうにもお粗末なのが残念。これの他に全曲盤のCDもあって、共演もずっと格上なんだけど、どうにもジョゼがあのひとだからな…というので手を出せずにいるところがあります^^;

・デリラ(C.サン=サーンス『サムソンとデリラ』)
オルベリアン指揮/ロシア・フィル/2001年録音
このひとを語るうえでは外すことのできないファム=ファタールの役だと思います。色々な歌手がチャレンジしていますが、こういうビロードみたいな声でやることで本来の良さを引き出せる役であって、このひと意外だとゴールやバンブリーぐらいでしか納得できていません。これは現状だとアリア集で楽しむことができますが、このアリア集では彼女の藝の広さを窺うことができます。当然露物も最高。

・フェネーナ(G.F.F.ヴェルディ『ナブッコ』)
ルイージ指揮/ヌッチ、グレギーナ、プレスティア、M.ドヴォルスキー共演/ヴィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/2001年録音
>かなりハマってます。駆け出しのころにやっていた役ですから最近ではやってくれないでしょうが、これだけヴィジュアル的にも歌的にも優れたフェネーナもなかなか聴けないかなと。演技も巧くて、単純に可哀そうなだけではなく、一癖ある感じもあってとても好きです。この演奏はグレギーナの最高音が出ないのを除けば大変楽しめます。

・ラファエロ(А.С.アレンスキー『ラファエロ』)2016.1.8追記
オルベリアン指揮/ヴィノグラドフ、パヴロフスカヤ、グリヴノフ共演/フィルハーモニア・オブ・ロシア&ロシア精霊復活合唱団/2004年録音
>30分程度と大変短いオペラですが、露的な旋律の美しさを感じられる作品。薄雪のような繊細な美観のある歌を、彼女が濃厚な美声で実にやわらかに歌っています。ズボン役という感じはあまり受けないのですが、ラファエロが精妙なセンスを持った藝術家であることがひしひしと伝わってきます。珍しい作品ということもあり、録音の少ない彼女の魅力を楽しむのには欠かせない1枚と言えるでしょう。共演では若きヴィノグラドフと情熱的なグリヴノフの美声が印象に残ります。付録で彼女が歌うアレンスキーの歌曲が入っているのも嬉しい^^
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