Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から・恐竜展特別編~第16回/コリストデラ類

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

********************************
コリストデラ類
Choristodera
特別展

140110_1934~01

今回の恐竜展は大阪での『発掘! モンゴル恐竜化石展』と較べると恐竜以外の生き物の化石はかなり減っています。代わりにデイノケイルスオピストコエリカウディアテリジノサウルスがあたりが来ているので全く以て文句は言えませんが、ちょっと残念ではあります(>_<)
そんな中で、むしろものが増えているのがコリストデラ類。彼らは恐竜絶滅後も生き残った爬虫類の仲間ですが、現代に至るまでに絶滅しています。今回展示されているコリストデラ類はいずれも実骨標本です。上の写真は組立骨格で、これはまた非常に珍しいもの。
先日行われた恐竜展のイベントで、神奈川県生命の星・地球博物館の松本涼子先生のお話を伺うことができたため、今日の記事はそこでのお話を中心に。

一見するとワニのようですが、ワニではありません。グループとしては非常に小さく現在のところ11属(属についてはこちら)しか発見されていませんが、外見の大きく異なる3つの括りに分けることができます。ひとつが上の写真にあるようなワニに似たもの、ひとつがトカゲに似たもの、もうひとつがトカゲに似ているのですが頸が長いものです。

140110_1935~01

上記の写真はチョイリアの頭。
グループ共通の特徴としては、大きく後方に張り出したハート形の頭蓋骨が挙げられます。ワニやトカゲはこのような頭はしていません。何故このようなけったいな頭をしているかがやはり興味深いところ。水中の魚を追う時には水平方向で頭を移動させることが大事になりますが、その際頭の高さを低くした方が抵抗が少なく有利です。しかし、頭の高さを低くするとその分噛むための筋肉をつける場所が一般的には小さくなってしまいます。このため、コリストデラの仲間は頭を後方に張り出して顎の筋肉をつける場所を確保したのではないかと考えられるのだそうです。
とは言え化石のみから生態を推定することは非常にリスキーなので、松本先生たちは、コリストデラたちの頸の化石を入念に観察するとともに、現生で比較的近いフォルムを取っているワニの仲間であるインドガヴィアルの子供のCTなどの研究を重ね、彼らが頸の骨の真ん中から後ろの部分を使って頸を横に振るのに適していただろうと結論付けています。

彼らの口蓋(上あごの裏側あたり)には普通の歯と別に、歯が並んでいます。これはそのものずばり口蓋歯といい、原始的な爬虫類に観られる特徴です。コリストデラ類の場合には飲み込む力がさほど強くなかったと思われるので、獲物を逃さないために使っていたのではないかということです。このあたりも非常に興味深いところ。

ちなみにチョイリアの名前は発掘地の最寄駅チョイリに因んだものなのだそうですが、チョイリ駅から発掘現場までは自動車で4時間かかるのだとか。。。おおごとwww

140110_1935~02

フレンドゥフサウルスはそもそも発見が少ないらしいのですが、今回の標本はその中でも選りすぐりの保存状態のもの。
コリストデラ類は特にワニと競合関係にあったようですが、大体の時代・地域で種数も大きさもワニに軍配が上がるのだとか。但し東アジアは白亜紀前期に、寒冷化によりワニが分布しなかった時代があり、そのときコリストデラ類の多様性が最大だったと考えられています。上述の3つの括り、即ちワニ型の仲間もトカゲ型の仲間も首長の仲間も存在していた唯一の時期・地域でもあります。そういう意味で東アジアはコリストデラ類を研究するに当たっては重要なキーストーンだと言えます。

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
スポンサーサイト

かはく | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<キヌガサタケ | ホーム | 第3回TAS定例会活動報告>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |