Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から~第2回/デイノテリウム~

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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デイノテリウム
Deinotherium sp.
(地球館地下2階)
121008_1623~01

2回目はちょっとマニアックな展示物を。
地下2階の絶滅哺乳類の展示の中の、絶滅したゾウの仲間(長鼻目)のゾーンにいる、かなり変わった生き物です。
ちなみに「ディノテリウム」や「ダイノテリウム」という表記も目にしますが、これは誤り。

121008_1624~01

何と言っても風変わりなのは、その容貌でしょう。
下顎の牙はかなり異様で、何に使ったのか議論の出るところ。胸の側に反り返っているという形状の点でも十分不思議ですが、実は他のゾウの仲間の牙はどの種類も上顎に生えており、その点でも一風変わっています。
かはくの解説では、樹木の皮を剥がすのに使ったという説を採用しています。

121008_1628~01

ゾウの仲間と言いながら、その顔は牙以外の部分を取ってみても、随分と現生のゾウとはかけ離れたもの。気になる方は、是非実際展示に赴いて、近くにあるコロンビアマンモス(所謂ゾウ顔です)と較べてみてください。よくこれで近い仲間と分かったもんだと思われるかもしれません。これだけ骨が違うと、今我々がイメージするゾウとは全く異なる顔をしていたと考えて間違いないでしょう。
但し、鼻の穴が高い位置にあることからゾウ同様長い鼻を持っていたのではないかと考えられています。

121008_1625~01

マンモスなどと較べると、歯もかなり原始的です。

かはくに展示してある標本は独国シュトゥットガルトの博物館で展示されている標本のレプリカです。
レプリカというのは簡単に言ってしまえば複製で、本物の標本から型を取って作り、色も本物と同じになるように塗ります。化石に限らず本物の資料は数が限られる貴重なものなので、研究のため、そして博物館に於いては展示のためにこうしたレプリカを作成します。
きちんとした記録のある標本のきちんとしたレプリカには、本物の標本と同様の研究的価値があります。
つまり、いつどこで誰が見つけたなんという生き物の標本をもとに、いつどこで誰が云々という契約で作成したレプリカを使って研究すれば、それは実物を使って研究したのと同等と見做されるのです。
このデイノテリウムの標本は、かはくの先生がかなりの苦労をされて作ることのできたレプリカだと伺っており、世界を探しても何体もないものです。

かはくに来た際には、是非足をお運びください。

<参考>
新版絶滅哺乳類図鑑/冨田幸光:文/伊藤丙雄・岡本泰子:イラスト/丸善株式会社/2011
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