Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から・恐竜展特別編~第17回/タルボサウルス

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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タルボサウルス
Tarbosaurus bataar
特別展

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特別展のご紹介もいよいよ大詰めです。まだまだたくさん凄い展示はありますが(信じられないぐらい保存状態のいい植物食恐竜もあるし、ホロタイプも紹介しきれてない)、特別展の展示物の紹介は今回で一段落。

特別展のトリを務めるのは、アジア最大の肉食恐竜タルボサウルスです(鳥に近い方の恐竜だけに笑)。
前肢が小さいことで有名なティラノサウルスの仲間ですが、その中でもとりわけ小さいです。是非これを見た後で常設展のティラノサウルスと較べてみて下さい。

この全身骨格は福井県立恐竜博物館にレプリカが展示されているものの、原標本です。
かなりの部分がきちんと残っており頭も出ていますが、この子もこの全身骨格ではレプリカをつけています(頭の話はこちら参照)。で、この頭がどこにあるかと言うと、特別展の最後に控えています。

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この1番上のやつですね^^
今回は上の写真のとおりタルボサウルスの成長が、実骨で追える展示になっています。
プロトケラトプスでも同様の展示がなされているのは以前の記事でもご紹介していますが、タルボサウルスでこれが観られるというのは、本当に極めて珍しいことです!この3枚の写真では1番上が1番成長したもので、下に行くに従って若返ります(笑)プロポーションが大分変わりますね。
上から2番目の子はティラノサウルス類の顔立ち中ではかなりのイケメン!歪みも少なく、素晴らしい状態です。会場にはこの上から2番目の子と1番下の子の間にもう1頭中間段階の子がおり、その子も非常にいい状態。
1番下の子は今回の目玉の一つで図録の表紙を飾っているこどものタルボサウルスです!

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こどもの肉食恐竜の化石、それもティラノサウルス類の化石というのは非常に珍しいです。こどもの化石は小さくて脆いということもあるのでしょう、単純に数が少ないです。この標本について言えば、保存状態が大変いいことに加え、発見時には繋がった状態でした(1番上の写真は発見時のレプリカ。繋がった状態の価値についてはこちら)。
まさに稀有な化石なのです。

発見時は海老反りになっていますが、鳥に近い系統の恐竜はこういう状態で発見されることが多いです。今回観られるハルピミムスも本来はそうした状態で見つかったのでしょう。何故か組み立てちゃったんでテンション高いやつみたいになってますがww有名どころだと始祖鳥のベルリン標本などもこの陽気なポーズを取っています。何でこんなけったいな姿勢になるかと言いますと、背中の腱が発達しており死後硬直でこうした格好になるのだと考えられています。但し普通の陸上環境だとこうなる前に腐ってしまうのだそうで、恐らくは水の中に死体が沈むと腐敗速度が落ちるためこの姿勢になるのだろうとされています(ニワトリの死体を水につけるというなかなか豪快且つ明快な実験をもとにした研究の結果、同じ姿勢になったのだそうです)。

上から2番目の写真は彼の尾の骨に当たる部分の写真ですが、赤い矢印のところに隙間があります。ヒトのこどもでもそうですが、こどもの時から骨は完成している訳ではなくこうした隙間があり、成長していくと隙間が埋まります。つまりこれこそが、彼がこどもであることの証拠のひとつなのです。

前肢もこどもの時からいっちょまえに2本指です。成長した個体では2本の指の長さがほぼ同じですが、彼の指はご覧のとおり長さに違いがあるので、これは成長によって変化するところだったのでしょう。また、長い指の横に爪楊枝のはしきれのような小さな骨がありますが、これは3本目の指の名残。大人のティラノサウルス類の全身骨格にもあります。

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再び大人の骨格ですが今度は後肢。
オルニソミモサウルス類のところでもご紹介した速く走るために進化したと考えられる、足の甲の真ん中の骨がシュッと細くなる特徴をここでも観ることができます^^
上から2番目の写真、これ実骨ですよ実骨!紛い物じゃないんですよ!なんという保存状態!!!

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これはタルボサウルスと見られる恐竜の足跡化石です。
「化石」と言うと骨や貝殻など生物の固い部分が残ったもののイメージが強いですが、実際には化石の定義は「基本的には10,000年以上前から発見された生物の痕跡」です。即ちこのような足跡や、サウロロフスのところで出てきた齧った痕と言うのも化石と言うことができます。こうした生物が活動をした結果できた化石を、生痕化石と言います。生痕化石は骨格などと較べると地味ですが、骨などから知ることは難しい古生物の行動や生態を知るためには欠かせない、極めて重要な研究材料です。

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これは最後の方にしれっと置かれているので、見逃している方もいるかも。
タルボサウルスの脚の骨なんですが真ん中に方解石が成長しています。これはタルボサウルスの特徴ではなく、骨の真ん中の髄が通っていた部分が腐敗などで無くなって空間が開いたところに結晶が成長したもの。骨など化石もまた岩石であることが分かりますね^^

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特別展の最後に座っているこの子、実は昔かはくの入口で来館者を出迎えていたあの子の組み直し。鎖骨と腹肋骨は足してありますが、なんとなく懐かしい気分になります^^

<参考>
・「大恐竜展 ゴビ砂漠の脅威」図録/国立科学博物館/2013
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