Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

禽竜今昔

禽竜今昔
A story of Iguanodon

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これも博ふぇすの展示に向けて制作。旧作の「雷竜今昔」に続き、古生物の復元の変遷を見るものです。
「禽竜」というのは、最初に発見された恐竜として知られるイグアノドンのこと。「イグアナの歯」と言う意味の恐竜が何故に「禽(とり)の竜」なのかというのは良くわからないところですが、「鳥脚類」ということばと関係があるのかも。少なくとも昔の図鑑でよく見た「とり竜」というのはこの言い回し由来でしょう。「かみなり竜」、「けもの竜」、「つの竜」などに対応するものと思われますが、昨今の鳥類は恐竜の仲間という考え方が一般的になってきて、紛らわしいので遣われなくなってきたのではないかと思われます。

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1822年にギデオン・アルジャーノン・マンテル(Gideon Algernon Mantell、1790 - 1852)によって発見された(妻が発見したとの説もありますが)イグアノドンは、その歯の形がイグアナに似ていると言うことで名前がつきました。このときは恐らく歯のイメージが先行したのでしょう、現生のイグアナと似た姿に復元され、この姿が暫く採用され続けました。また、何処につくのかわからなかった尖った化石は、鼻の上にあった角だろうと考えられました。

のちに恐竜が一般に知られるようになってから、ロンドンのクリスタル・パレス(水晶宮)で実物大で古生物の模型を展示するというイベントがありました。展示の直前には、そのイグアノドンの背中の部分を開けてレストランをやっていたのだそうで、そこで会食をしている有名な絵も残されています。クリスタル・パレス自体は失われていますが、模型は現在でも見ることができます。

本作では最初期の復元の如何にも重厚でいかつい雰囲気を出したかったのですが、当初作ったものはフォルムは兎も角変にシュッとしてしまい気に喰わず、ステゴサウルスなどを作った時と同じベースから再度作ったのがこちら。背中で会食をしたエピソードから、背中が開くようにしてあります。

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その後、白国のベルニサールの炭鉱で30体を越える全身骨格が発見され、復元図は大きく変更されます。このとき、謎の尖った骨は前足の親指の骨の先だと言うことが分かり、イグアノドンと言えば尖った親指(実際にはその上に更に爪がつきます)がトレードマークとなりました。

このころなされていた復元は、最初期の復元に較べればだいぶすらりとしましたが、まだまだごつい印象のもので、ゴジラのモデルのひとつになったとか。
本作ではシュッとはしつつもゴジラ的なイメージは出したくて、お腹まわりを張り出した格好にしています。

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そしてこちらが、現在のイメージのイグアノドン。
二足で立ってる復元もありますが、植物を食べる生き物としての内臓の量とかを考えると、やっぱり四足の方が信憑性があるような気がします。それまでの復元のごつさはだいぶ影を潜め、より動物としては自然な造形になっているという見方もあるでしょう。怪獣然とした過去の復元と、現在のすらりとした復元のどちらが好きかというのは、意見の分かれるところだと思います。
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2014-03-17 Mon 16:37 | | [ 編集 ]

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