Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

群盗

群盗
I masnadieri
1847年初演
原作:フリードリッヒ・フォン=シラー
台本:アンドレア・マッフェイ

<主要人物>
モール伯爵マッシミリアーノ(B)…カルロとフランチェスコの父親でモールの領主。可愛がっていた上の息子のカルロは悪いお友達ができちゃってうちから離れて行くし、下の息子のフランチェスコは兄貴へのコンプレックスで拗けた性格に育っちゃったし、はあ~俺子供の育て方間違っちゃったかなあ…な人。挙句フランチェスコの姦計により幽閉されてしまう。下の3人に較べるとあらすじ的にも音楽的にも負担の軽い役だが、死んだと思っていたが生きていたという場面などを考えるとそれなりの風格とドスの利いた声が欲しい役だろう。
カルロ(T)…マッシミリアーノの長男。父に溺愛されて育つが、長じて悪友との放蕩の生活を送る。父との和解を望んでいたところ弟の謀略に陥り、群盗へと身を窶すことになる。主人公なんだけど現代の目からするとなんだかやたら身勝手なやつやなあと^^;原作だともう少し違うようですが。初期ヴェルディらしい熱気の籠った音楽が当てられており、馬力のあるテノールが歌えば聴き栄えのいい役。とはいえかなり歌わなくてはならない役なので、全曲で馬力を発揮するのは結構ハード。
フランチェスコ(Br)…マッシミリアーノの次男。父が兄を猫かわいがりするせいで性格がひねくれてしまったひたすら邪悪な人物。情報操作で父と兄の間に行き違いを起こさせ、父を幽閉、兄も亡き者にして権力を恣にし、兄の戀人をも自分の手に入れようとするが、罪の意識から最後の審判の夢に魘される。如何にもヴェルディが好みそうな性格的なバリトンの役どころで、後のイァーゴが透けて見える。また夢の場面などは同時期に書かれたマクベス夫人とも関係が深そう。後のヴェルディならもう少し違う音楽をつけて呉れそうだが、書かないかな~この出来の悪い台本だと^^;
アマーリア(S)…カルロの戀人。伊ものらしい激しい性格のヒロインで、フランチェスコから逃げる時には自ら剣を取りもするし、お近づきになったら割と厄介そうな気がするw一方で戀人を追放した直接的な人物であるマッシミリアーノには敬意を抱いて接するなど徳が高い(?)一面もある。全体として強い声が必要な役になってきている一方、この役が一番ベル・カントの音楽の延長にいる感じでもある。
アルミーニオ(T)…モールの伯爵家の家令。当初フランチェスコに力を貸すが、早々に後悔し、アマーリアに全てを話し、マッシミリアーノには密かに食料を運ぶ。物語の要所要所で主人公たちを繋ぐ重要な脇役テノールで、出番もこの手の役の中ではかなり多い。特に1幕のフィナーレは第1テノールのカルロが不在なので、主役陣に混ざってアンサンブルを展開する。
モーゼル司祭(B)…フランチェスコが懺悔するために呼ぶ司祭。罪はあまりにも重く、人の力で懺悔を受け入れることはできないと彼を突っぱねる。出番は終幕のフランチェスコとの重唱だけだが、物語の展開としては相当重要な役で、できれば力量のある歌手、少なくとも存在感のある歌手に演じてもらいたいところ。派手に延々と歌ったりする場面がある訳ではないが、オーケストレーションでも後の宗教裁判長の登場を予見すると言っていい興味深い役。
ロッラ(Br)…カルロと徒党を組む悪友の1人。意外と面白い役が多いこの演目の中では最も存在感の薄いひと。

<音楽>
・前奏曲
○第1幕
・カルロのカヴァティーナ
・フランチェスコのアリア
・アマーリアのカヴァティーナ
・アマーリアとマッシミリアーノの小2重唱
・アマーリア、アルミーニオ、フランチェスコ、マッシミリアーノの4重唱

○第2幕
・アマーリアのアリア
・アマーリアとフランチェスコの2重唱
・カルロのロマンツァとフィナーレ

○第3幕
・アマーリアとカルロの2重唱
・群盗の合唱
・マッシミリアーノの物語
・カルロの誓い

○第4幕
・フランチェスコの夢
・フランチェスコとモーゼルの2重唱
・カルロとマッシミリアーノの小2重唱
・フィナーレ

<ひとこと>
マクベスと同じ時期にロンドン上演に向けて準備された作品。良いテノールが用意できそうだということで、テノールを主役に据えた、或意味オペラらしいオペラです。初期のヴェルディらしいドラマティック且つ流麗な音楽がやはり魅力的で、こうして聴いてくるとだんだんと熱気の籠った音楽が多くなってきているような印象を受けます。とは言えイマイチ人気がないのは、巷間言われる台本の拙さからでしょうが、ここでは改めてそこに踏み込むことはしません(細かいところまで目を通せてないし^^;)
ただ一概につまらない作品かというとそんなことはないと思います。その良さを充分に活かしきれているとは言えない台本になってしまっているとは言え、フォン=シラーの原作をヴェルディが選んだ理由はわかる気がします(ちなみに何だかんだ言ってヴェルディの作品はフォン=シラーが原作となっているものが多いですよね。既に登場している『ジョヴァンナ・ダルコ』然り、この後登場する『ルイザ・ミラー』然り、伊ものの最高傑作である『ドン・カルロ』然り)。主役は当然ながらテノールであり、その魅力をたっぷりと味わえる音楽をつけていますが、ヴェルディが一番興味深く目を向けているのはバリトンの演ずるフランチェスコだと思います。まだそれほどではないですが、彼一流のグロテスクな人物への関心とそれを通して描かれる人間の内面の表現への意欲が感じられるのです。そういう意味では、意外とスルーできない作品なのではないかと。

そのフランチェスコ、これはやはり難しい役です。原作ほどではないにしろ悪の権化であり、最後の場面は狂乱の場の延長と言ってもいいでしょう(とは言え原作での描かれるフランチェスコの自殺はオペラでは存在しないので、最終的に彼がどうなるのかは実はうやむやになってしまっているのですが…実際のところどうかはわかりませんが、検閲のせいかなと何となく思っています)。権力を欲して悪の限りを尽くし、罪の意識から精神を病む…この設定何処かで見ませんでした?そう、前作のマクベス夫人。完成度的にはやはりマクベス夫人の夢遊の場が秀でているように思いますが、フランチェスコの夢の場も同じような狂乱の場の発展形と言ってもいいのかもしれません。また、恐ろしい悪夢を人に語るという状況は前々作のアッティラのアリアとも類似しているようです。このあたり簡単にそうだ、と決めつけることはできませんが、この時期のヴェルディが特に関心を抱いていたのかもしれません。この悪人の系譜はこの作品の後ヴルム、パオロへと繋がり最終的には伊歌劇史最大の怪物イァーゴへと進化していきます。よく言われることではありますが、登場アリアの前奏、そしてフランチェスコが自らの恨みつらみを吐露するレチタティーヴォでは、既にそのイァーゴの気配が漂っています。これに較べるとアリア本体は伝統的な形式に則った流麗過ぎる歌に彩られており、勢いが後退してしまっている感がありますが、この時期の彼らしいたっぷりとした旋律はそれはそれで魅力的なものです。1幕フィナーレでの悪への讃歌も後年ならばより強烈な音楽をつけていそうですがまあまあでしょうか。リゴレットもヴィオレッタもアズチェーナもフィリッポも生み出していないこの時点で、作曲家にこれ以上を求めるのもちょっと酷な気はします(^^;朗々とした歌もあるので声のある所謂ヴェルディ・バリトンに歌って欲しいなとも思うのですが、それ以上に屈折した人物を表現する演劇的な巧みさがないと、特に夢の場は務まりません。ゴッビが遺して呉れていたら結構面白かったかもしれない。

音楽的にも台本的にも主役のカルロ、これもまたえっらい難役です。何せ登場場面が多いし、どれも声楽的な負荷が非常に高い。ヴェルディ個人の興味や描き込みとは別に、はっきり言って公演の出来を大きく左右するのはこの役です。ブンチャッチャ調の勇壮でメロディアスな音楽が与えられているロブストなテノールの役で、かなりパワフルに歌って欲しいところ。これまでの役はそうは言ってもベル・カントの匂いが強かったように思うのですが、このカルロあたりから様子が変わってくるのかなという感じがします。この役の中にマンリーコの原型を見るのはそんなに難しい話でも荒唐無稽なことでもないでしょうし(少なくともこの作品そのものや『イル・トロヴァトーレ』のあらすじほどには荒唐無稽ではないと思いますw)、この役をベル・カント流儀で優美に優雅に歌われてもちょっとなあという感じ。また流石にマンリーコ程の完成度には至っておらず、誰が歌っても音楽の魅力を感じ得るといった役ではないので(と言ったけどヴァルター・フラッカーロのマンリーコはガ鳴るだけで本当に酷かった…あいつはもう二度と聴かない)、巧く歌える以上になにかひとつプラスがないと面白くない役かもしれません。それはやはりヴェルディの場合は熱気と言いますか、テノールバカっぽさなのかなあなどと思っています。役柄としての破れかぶれ感が増した方が演劇としてもリアルな気もします。逆にそういうところがあれば作品のイメージをガラッと変えて呉れるかも。或意味では歌で必死になって結果を出せばそれっぽくなるという、非常にオペラっぽい役と言えるかもしれません。

歌というところで行くのであれば、わかりやすくかなり難しいのがもう一人の主役アマーリアで、2つのアリアでも重唱でも技巧のテンコ盛りです。これを歌いこなすのはかなり難しいでしょう。そしてこちらもカルロ同様出番が非常に多い。ただ、その割には上記2人に較べてあんまり面白くないかなあと言うのが正直な感想です。あらすじ的にはこれといった派手な見せ場がある訳でもないのに、音楽的な見せ場を突っ込まれてしまってなんとなく中だるみしてしまった感じと言いますか。ヴェルディが手を抜いているとかっていうよりは、やはり台本の拙さが出てしまっているような気がします。2幕のアリアと重唱が逆の順番ならどちらももう少しグレード上がる仕上がりになったのではないだろうかなどとまた岡目八目。そういう意味では逆にこれを聴かせなくてはならない歌手の側は結構しんどいものがあるように思います。参考音源のサザランドとカバリエは、こう考えて行くとやはり凄い歌手だなと。このクラスの歌手が妙技を尽くせば俄然聴きごたえが出て面白くなってくるんですが、なかなか歌って呉れないでしょうね^^;

準主役ぐらいの扱いのマッシミリアーノですが、実はカルロよりもアマーリアよりもこの人に当てられている物語の方が出来がいいのではないかと(我ながらバス贔屓、バリトン贔屓のため、テノールやソプラノに対してより圧倒的にこちらに重心を置いた、偏った聴き方をしている自覚はあるのですがw)。重唱はまあこんなもんかなぐらいの扱いではあるのですが、彼の物語は実に不気味な趣のある音楽で、全曲の白眉と言ってもいいかもしれません。この時期のヴェルディはアッティラやバンクォーでも仄暗い不吉な音楽を作るのに成功しており、これらの曲は深く関係しているように思われます。役としては後半の耄碌してしまっている部分及び嘆き節をしっかりやれるひとならばそんなに難しくはないのではないかと思いますが、この物語で死んだ筈の老人のおぞましい語りだという感じを出すためには、重厚で暗い音色の迫力ある声と舞台上での存在感が欲しい。それこそネーリあたりがやっていて呉れたらかなり良かったのではないかという気がします(フランチェスコにゴッビ、マッシミリアーノにネーリってかなりインパクトがありますね…このメンバーなら相当どぎついカルロじゃないと。となるとデル=モナコかな?)

アルミーニオもこの手の役としては珍しいぐらい歌う場面が多く、アンサンブルでもしっかり絡んで来なければいけない役です。特に上述のとおり1幕フィナーレにはカルロが居ない代わりに彼が登場し、テノール・パートを補っているので、それなりに通る声でしっかり歌える人でなければ務まらないでしょう。フランチェスコの命令に従ったり、アマーリアに真実を伝えたり、マッシミリアーノに秘密で食事を運んだり、そのあとカルロにどやされるなど主人公同士を繋げる役回りとしても重要であり、そこそこに演技力も欲しい。今回参考にした音源ではどちらもまあまあでしたが、それこそデ=パルマあたりがやって呉れたらなあと。

そしてもう1人、異様な脇役としてモーゼル司祭が居ます。彼の出番は終幕のほんの5分程度ですが、その印象はとても強いです。彼は、そこまで悪事の限りを尽くしてきたフランチェスコの懺悔を冷淡に拒絶し、直接的に追いこんでいく人物だからです。ヴェルディの作品に親しんでいる耳で聴けば、彼の登場のファンファーレを聴いてすぐピンと来るはず。そう、フィリッポを追い詰める宗教裁判長です。こちらも完成度的には未熟な部分が多いものの、その旋律的でない単調な動きで威圧していく様はやはり恐ろしい。雛形としては非常に興味深いです。僅かな出番に対して大物を連れてくるのはなかなか難しいとは思うのですけれども、出来れば存在感のあるひとに歌って欲しい。往年の名歌手を起用があったら嬉しいな^^

合唱。この作品ではもう殆ど単なる盛り上げ隊ですね^^;3幕の合唱も愉快だけど冴えないですね~『マクベス』のバンクォー暗殺団の合唱もやたら愉快でしたが、この時期ヴェルディは男声合唱を愉快にしたかったのでしょうか笑。

出来としてはまだまだ望めるところがありながら、マンリーコやイアーゴ、宗教裁判長の原型を楽しむことができる作品です。破れかぶれな感じもありますが、これはこれでその不完全さが或意味で魅力的。あらかたヴェルディの有名作を聴いて、別のものを更にという方にはおススメです。

<参考音源>
○ランベルト・ガルデッリ指揮/カルロ…カルロ・ベルゴンツィ/アマーリア…モンセラート・カバリエ/フランチェスコ…ピエロ・カプッチッリ/マッシミリアーノ…ルッジェーロ・ライモンディ/アルミーニオ…ジョン・サンダー/モーゼル…マウリツィオ・マッツィエッリ/ニュー・フィルハーモニー管弦楽団 & アンブロジアン・オペラ合唱団
>キャストも揃っていますし、全体的に整った演奏だと言っていいと思います。まずはこの演奏を聴けば、なんとなく『群盗』という作品の全体像も見えてきますし、音質的にも聴きやすい^^私見では白眉はフランチェスコを演ずるカプッチッリ。こういう性格的な役どころは流石に巧いし、声もしっかりヴェルディ・バリトンですから、流麗に歌うところも不足はありません。彼ぐらい声が立派なら、音楽的にはもうちょっとのところもしっかり聴きものになる、という証左とも言えるかもしれません。この中では演技にも熱が入っており、夢の場はお見事。1幕フィナーレでの「死んだ!Morto!」という叫びの乾ききった喜びをはじめ、全体に楽曲を喰う出来ではないかと。声楽的に素晴らしいのはカバリエです。メカニカルで細かい動きに時に難の出る彼女ですが、ここでは巧くこなしています。全編に亘って瑞々しい美声を聴かせていますが、何と言っても彼女のトレードマークである高音のppにもの天国的な美しさ!特に2幕のアリアはピカイチと言っていいでしょう。ライモンディも身の詰まったカンタンテでしっかりと聴かせて呉れます。優れた歌手である彼の場合しばしばある、もっと聴きたくなるぐらいの歌。また、終幕での耄碌気味の部分では、声こそ立派ですけれどもその疲れ切った感じと言いますか、マッシミリアーノが最早単に命があるに過ぎない人物になってしまっている感じがよく出ています。このあたり役柄をしっかり表現しようとする彼らしい知的さが大きなプラスになっています。ベルゴンツィも彼らしい整った歌でたっぷりと聴かせて呉れて◎です。特に冒頭のアリアの若々しい力強さに満ちており、ヴェルディを聴くならまずはやっぱり彼だという印象を強く受けます。ただ彼のマンリーコには不足を感じない私も、この役ではやや熱っぽさが足りないと言いますか、カルロの持っている破れかぶれな感じがいまひとつに感じます(とは言えこれは恐らくボニング盤での強烈なボニゾッリと比較してしまっているからで、普通はこれだけ歌えれば十二分だとも思うのですが)。サンダーとマッツィエッリはまあまあでしょうか。ガルデッリの指揮はドラマティックで悪くないのですが、なんとなくこの演目を分析的というか学究的に振っている感じで、ベルゴンツィより更に熱っぽさが薄いように感じます。このメンバーなので多少粗っぽくなってももっとガツガツと演奏しても良かったんじゃないかなあ。という訳で惜しい点もあるのですが、まずは推薦盤でしょう。

○リチャード・ボニング指揮/カルロ…フランコ・ボニゾッリ/アマーリア…ジョーン・サザランド/フランチェスコ…マッテオ・マヌグエッラ/マッシミリアーノ…サミュエル・レイミー/アルミーニオ…アーサー・デイヴィス/モーゼル…シモーネ・アライモ/ウェールズ国立歌劇場管弦楽団&合唱団
>基本的にはガルデッリ盤を聴いていただければいいような気がするのですが、カルロという役についてより良く体現しているのは、この盤のボニゾッリでしょう。彼の藝風らしいものすごいテノール・バカ歌唱ですが、それが役柄とぴたりと合って恐ろしいほどの効果を上げています。如何にもこの人らしくあちこちに荒々しいことこの上ないハイCを挟んでくる様の凄まじさと言ったら!作品の疾風怒濤感の良く伝わる気迫の歌で、ボニゾッリのスタジオ録音でのベストの出来ではないでしょうか。こういう歌唱を品がないとかグロテスクとかといった言葉で切り捨てる方ももちろんいらっしゃるでしょうが、こういう歌唱もまたオペラの世界のひとつの側面として認めて欲しいなあというのが僕の意見で、少なくともここでの彼の歌唱は或る見方からすれば最良の部類に入るものでしょう(もうひとつ付言するなら、彼の歌い口が気に喰わないときは、もちろん僕にもあります)。これを聴いてしまうと、上記のベルゴンツィがいささか端正過ぎて聴こえてしまうのです。マヌグエッラもカプッチッリと較べてしまうと遜色がないとは言いませんが、悪くありません。というかこのひとも余り正当な評価を得ていないように思うのですが、厚みのある豊かな声と知的にコントロールされた性格的な歌い回しでヴェルディの諸役を巧みに演じており、なかなかどうして隅には置けないバリトンです。ここでも重厚な存在感を見せつつポンポン付加的な高音を挟んでいたりして、聴き応え十分。特に夢の場とモーゼルとの重唱がいい。サザランドは姥桜の感はどうしても否めないし、役柄的にはあんまり合ってはいないなあとも思えるのですが、それでも高音をヴァリアンテで加えたりして彼女なりに消化し、聴かせる歌にしているあたり流石。エルヴィーラ(『エルナーニ』)よりも後の録音ですがむしろこちらの方がいい出来ではないかと。レイミーのヴェルディは相変わらずあまり好きではないですし、どうしてもライモンディと較べるとそちらの方がいいのですが、ここではまずまず。何よりあの物語は彼の深い声で歌われるとやはり迫力が出ます。アルミーニオ役はここでもまあまあですが、モーゼルを演ずる若き日のアライモは天晴な歌いぶり。重低音が響く方ではない(むしろそれならガルデッリ盤のマッツィエッリの方が鳴る)のですが、にべもない冷厳な拒絶が決まっています。ボニングの指揮はコケコケに言われることが多いですが、ここではガルデッリとどっこいどっこいかな。金管を煌びやかに鳴らしていたりするところはむしろ僕は好みです。ただ、どちらももう少し煽った方がこの作品はいいんじゃないかなぁ。
ガルデッリ盤よりも凸凹を感じますが、まずはボニゾッリを楽しむ音源と思うとかなり楽しめます。
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