Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

蛙 ――古典の主題による小品――

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蛙 ――古典の主題による小品――
KAWAZU

折り紙には古典作品と言われているものがあります。というより、多くの人にとって折り紙とは古典作品のイメージの方が強いかもしれませんね^^
誰が最初に考案したかはわからないぐらい古いけれども、ずっと折り継がれている作品、伝承作品とも言われます。例えば折り鶴だったり奴さんだったり、或いは帆掛け船だったりがこの一群に当たります。

そうした古典はやはり長い年月折られ続けているということもあり、比較的簡単に折ることができるとともに、リアルかどうかということを超えた完成した姿の美しさが魅力になっています(折り鶴の後ろの尖がりが実際の鶴の一体なんだというのでしょう!)。今折られている高度な創作よりも、ひょっとしたら作品としての力はあるかもしれない。そんな気さえさせるものなのです。

とはいえ一方で、そこに少し手心を加えて何かしら発展させてみたい、新たな表現をしてみたいとかよりリアルにしてみたいとかということを思わないかと言えば、それもまた嘘になります(笑)
今回は古典作品の「蛙」に手を入れてみました。

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左がその古典の「蛙」なのですが、個人的にはあまたのカエル作品の中でもぴか一ならば、古典の中でも屈指の名作だと思っています。4本の長い脚のある決してパーツの少なくない生き物を思い切って単純化し、最低限の表現でしかししっかりとアマガエルだと見るものを納得させてしまう説得力も素晴らしいですし、何より作品として非常に纏まっていて美しい。特に後肢やお尻の部分などは、単純化されているのにもかかわらずしっかりとリアルな蛙の姿を想起させるんですよね。本当に深い作品だと思います。

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手を入れるとは言っても、元の作品の質の高い美しさはなるべくそのままにしたいと考えました。ですから、本来ならば当然カエルの背中には幾何学的な模様が入っていたりはしないのですが、そこを含めて古典の形を活かす格好にしました。
また、先ほどのお尻の部分はこの作品の肝なので、そのまま使っています。

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これだけ元の作品の骨格がきちんとしていると、アレンジを加えると言っても思いつくのは指を折りこむぐらいしか自分には考え付かず、蛇腹を仕込むことにしました。あまりたくさん仕込むと折りづらくなり、紙が重なる部分の処理にも困る上にあまり美しくならないだろうと見込み、本当に最低限だけ。とは言え、折角指を折りこんでリアルの要素を入れるので、実際のカエルのとおり指の数は前足4本後足5本に何とかしてあります。

それでも重なる部分の処理に結構困りました。ここが納得いくまでが一番の山場だった(^^;
最終的には重なった部分をうまく開いて顔を作れたので、比較的きれいに纏まったかなと思っています(見えない部分の折り合いは苦しい部分もありますが)。

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少し別の話ですがここのところ日本画をいろいろと観る機会がありました。そこで、以前日本の工芸品を観たときにも思ったのですが、日本の美術はリズム感と間、それにコントラストだなあと痛感させられまして、そこいくと自分の折ってるものはまだまだだなあと。リアルなものと抽象的なものの間でもっと美しく、リズムを感じて纏めて行かねばならないなあと強く感じています。見せ方含めてまだまだ研究が必要です。
本当は今回の作品も投稿するのを辞めようかなとも思ったのですが、この気持ちを含めて書き残しておくことにしました。
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