Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

奇蝦相対図

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奇蝦相対図
Kika-aitaisu-zu (The duel of Anomalocaris canadensis)

日本画風折り紙×古生物ということで、『昆卡獵龍図』に続く第2作目。
こちらも旧作のアノマロカリス・カナデンシスをもとに制作しました。このお題にうまくはまりそうな古生物の候補は頭の中にいくつか候補があるのですが、ひとまずはこれ向けの作品を頭から作るよりも、旧作に準拠していくつか実験して感覚を摑んでいくのがいいかなと思っている次第です。

とは言えアノマロカリスと言えば、今やコンカヴェナトール何て較べものにならない有名古生物ですし、下手なもん作れないよなあというプレッシャーはあってですね^^;どういう作品にするかは結構悩みました。
元の作品では折角特徴的な口の部分も折っていますからお腹側を見せたいなと思う一方で、尾や背面の造形も見せたいというところがありまして、でもそういう慾張りを考えるとアノマロ1匹じゃどうやって平面に落とし込めない訳です。

それでじゃあ、2匹にしましょうとなって、どういう絵が自然かなと考えました。2匹をただ図鑑のように並べたのでは、今回のような様式に落とし込んだことが全然活きないし、何らかの物語を添えることで、アノマロカリスたちを生きたものにしたい。と思ったときに、そういえば日本画には龍虎図みたいな対決の構図があったな。よしこれだ!と考えたのです。

ちょっと意外だったと言いますか、そういえばそうだねと思ったのは、アノマロカリスって大体「カンブリア紀の最強生物」みたいな触れこみで三葉虫やらピカイアやらを襲っている復元画は良く見るんですが、アノマロ同士で鬪っている図って言うのは寡聞にして聞いたことがない。で、調べてみてもあんまり出てこないんです。その時点で改めてこれは面白いテーマかもと感じたので、ちょっと考えてみました(とは言え、論文などに当たった訳ではない妄想ですのであしからず)。
アノマロカリスぐらい進化した生き物同士が鬪うとして、いきなりお互いを傷つけるような真似はしないんじゃないかなという気がするんです。同種の動物の争いって、現生の連中で知る限り、まずは自分の身体の大きさだったり角だったり羽だったりと言ったものを見せ合ってアピールをします。そうした儀式を或程度やった段で決着がつかなかったところで初めて、肉弾戦になる。そうするとアノマロカリスもそんなことをしていたのかもしれない。お誂え向きに頭には大きな付属肢が2つもついているし!ということで、お互いに身体を大きく反らせて付属肢を高く上げる儀式がまずはあったのではないかという想像をもとに構図を取りました。

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まずは背面側の子ですが、これ旧作を作ったときには「背中はつるっとしていた説」を参考につるっと作ったんですが、今回は段々入れました。
作品的に背中の段々があった方がカッコよく仕上がりそうかなと思ったのと、いまかはくでやっている生命大躍進展の標本を観てあの体節がはっきりしていたのがメカニックな感じで単純にカッコよく感じたのとで(笑)まあミーハーではありますが、この方がこの形にしっかり固定できるだろうというのも思ったところです。

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で、腹面側の子。
これおんなじものの腹側を見せているかと言うと、実は違います!というのも、この作品非常に単純な構造で、言っちゃえば観音の基本形をやや細かく折ったのに過ぎないもののため、背中かお腹かどちらかの真ん中に割れ目ができてしまうんです。この割れ目が出ちゃうとどうしてもカッコ悪くなってしまうため、今回の作品用にお腹側が割れないバージョンを新たに作成しました。更に、海老反りになったものを腹側から観たときに、しかもそれを貼り付けたときに、どうやったら自然に見えるかと言うのでいろいろと試行錯誤。
意外とここが結構大変でした。

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ご参考までに腹面側の子を背中から見た図。真ん中に妙な割れ目ができているんですが……ちょっとこれだと見づらいかな^^;

最終的には諸々思っていたことをほぼほぼ実現できたと思います。
今回使った紙は結構褪色していくものなんですが、それがまた味わいになって呉れればいいななどと思っています。
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