Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

オペラなひと♪千夜一夜 ~第三十二夜/伊国バスの神髄~

前回に引き続き、長いこと書きたかった人を。

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Don Giovannni

チェーザレ・シエピ
(Cesare Siepi)
1923~2010
Bass
Italy

このひとを以て20世紀最高のバス歌手とするひとも少なくない、名手中の名手。
私の愛するニコライ・ギャウロフに対抗する名歌手であります。

一口にバスと言っても実際にはいろんな区分があって、例えば、お国柄による音色の違いなんて言うものがあります(あくまでイメージですから外れる人もいますし笑)。
私の好きなギャウロフやらクリストフやらというのはどちらかというとごわごわとした響きのバルカン系のバス、それからモルやフリックのように黒い森を想起させるダークで深い響きの独系のバス、そしてもう一つ挙げるとすればこのシエピを代表とする、響き自体はものすごく深いんだけれども、音色は明るくあたたかみがあり、やわらかでしなやかな伊系のバスです。彼以前であればピンツァが、彼以降であればルッジェーロ・ライモンディやスカンディウッツィが当てはまるであろう一群です。個人的にはそうした歌手たちの中で最も親しみがあり、また録音史上に於いて燦然と輝く存在がシエピだと思っています。
また、そうした歌手の中でも録音の数の多さでは上位に来るでしょう。正規録音はもちろん、ライヴでも録音が多い。

レパートリーはもちろん基本的に伊もの。
ヴェルディやドニゼッティ、ベッリーニはもちろんですが、やっぱり彼の名刺代わりの役と言えばモーツァルトのドン・ジョヴァンニ、ということになるのでしょう。
その端正な伊的な美声と歌い口はもちろんのこと、甘いマスクとすらっとした容姿で大変な人気を得、いまだに理想的なドン・ジョヴァンニと言えば彼の名を挙げる人は尽きません。嬉しいことにその姿は映像にも残っていますし、正規録音が1つとたくさんのライヴ録音でも楽しむことができます。

<ここがすごい!>
好きなバスが誰かと訊かれればギャウロフと答える私でも、美声のバスは誰かと訊かれれば、まっさきに思い浮かぶのはシエピの名前。もう声の美しさをとったら、彼以上の歌手は思いつきません。バス歌手としてあらまほしき深みを湛えながら、暗くも重くもなり過ぎない。明るさ柔らかさがある。
バスというのは本当に厄介で要求の多いパートで、しかもレパートリーによる制約も多いです。イタオペの音楽で要求される声を考えると、深みや響きの点では優れていてもバルカン・バスではあまりにも暗すぎるという場合もあるし、独バスではなんというか音楽的に生硬さやゴツゴツしたものが感じられてしまってどうも、という場合もままあります。例えば最近大変人気のあるパーペのフィリッポ2世(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)は、私は2回実演も聴きましたが、彼の生硬な歌や声は、本来的にはこの役には合わないと思う。そんななかで、およそ伊もののバスの要求をすべてこなしているのがシエピなのです。また、ヴェルディの諸役について、ギャウロフやクリストフのような強面で陰気な響きのあるバルカン声で聴きなれたあと、シエピの声で聴いてみると、そのスマートで垢抜けた響きに驚くと同時に感動します。まったく整った声!その耳ざわり、質感の良さは、バスティアニーニと並ぶまさにベルベット・ヴォイスであり、この2人が同じ時代に活躍し、数々の録音を残したということは、全く幸運だっというほかないでしょう。

そして同時にその歌の美しいこと。
たびたびご覧の方はお分かりかと思いますが、私は基本的に端正な歌に惹かれる傾向にあります笑。彼の歌唱は基本的には音楽を優先したものであり、音楽上の要求のないところで必要以上に感情を込めて演技や語りに走ったりということのない歌です。ヴェルディ以前の作品に於いて、私はまず歌をしっかり歌うことを優先すべきだと考えていますが、そういう意味でシエピの歌唱はまさに理想的。そして、そういう歌唱を普段する人だからこそ、ライヴ録音などでの感情の迸りが活きるのです。べたべたとたくさん演技をすればいいというものではない。もちろん卓越した演技力で魅せる歌手も私は好きですが、シエピのようなバランスのとり方をする歌手が近年とみに少ないような気がするのは、残念です。

彼を語るうえで絶対に欠かせないのは、前述のとおりW.A.モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』の題名役でしょう。その貴族的な高貴さ、匂い立つダンディズムと言ったら!ドン・ジョヴァンニは多面的で非常に難しく、昔からいろいろな解釈のなされているキャラクターだと思いますが、まず第一条件として数々の女を籠絡させるだけの魅力がなければ務まらない。これはもう、どう歌おうが演出がどうなろうが、本当に残酷なことながら、ご本人の発することのできるオーラ、雰囲気、男性的な魅力によるところになってしまう。シエピには希代の魅力がある。そうした魅力を持った人が丁寧に音楽的に歌うのがまたいいのでしょう。彼の歌うドン・ジョヴァンニには、レンブラントの筆遣いを思わせるような、精緻さがあります(この辺りはギャウロフのドン・ジョヴァンニの話をした回で細かく書きました)。
他に忘れられないものとしては、G.F.F.ヴェルディのフィリッポ2世、修道院長(『運命の力』)、G.ドニゼッティのマリーノ・ファリエーロ(『マリーノ・ファリエーロ』)、ライモンド・ピデベント(『ランメルモールのルチア』)、修道院長バルダッサーレ(『ラ=ファヴォリータ』)、そしてA.ボイトのメフィストーフェレ(『メフィストーフェレ』)でしょう。特にメフィストーフェレで聴かせる悪魔の魅力は、嵌ると癖になること請け合いです。ここでも特段迫力を出すことを前面には押し出していないのですが、その深々とした声で蠱惑的でお洒落な悪魔を作り上げています。

<ここは微妙かも(^^;>
もう趣味の問題でしかないのですけれど、彼のアクの少ない美声は非常に若々しく響くので、ヴェルディの諸役についてはその魅力を感じると同時に、ちょっとキャラ違いを感じてしまうこともあります。ヴェルディのバス役は基本的におじいちゃんですからwwもう端正な美声という意味では絶対シエピなんだけど、それでも美声好きの私にもかかわらずギャウロフの方が…となってしまうのは、そういうところからなんですかね。。。や、贅沢すぎることを言っている、というかやっぱり趣味の問題だよね、やっぱりww

あと、エーリッヒ・クライバー指揮の『フィガロの結婚』(W.A.モーツァルト)の題名役が古くからかなり評価高いですが、個人的には、その歌唱の見事さはもちろん認めるけれど、余りにも高貴な感じがしちゃってですね(^^;伯爵演ずるアルフレート・ペルよりもノーブルなんだもんね(苦笑)いっそ伯爵歌って欲しかった気もする。フルラネットも伯爵歌ってるしw

<オススメ音源♪>
・ドン・ジョヴァンニ(W.A.モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』)
フルトヴェングラー指揮/エーデルマン、シュヴァルツコップフ、グリュンマー、デルモータ、ベルガー、ベリー、アリエ共演/VPO&ウィーン国立歌劇場合唱団/1953年録音
>シエピのSignature rollであるこの役は素晴らしいことにスタジオ録音含め結構音源が残っているし、映像でも楽しむことができる。ギャウロフが同じ役をより豪快にパワフルに描いたのに対し、シエピは希代の色事師ではありながらも貴族的な雰囲気を失わない役作りを精緻に行っている感じ。どこまでもダンディなドン・ジョヴァンニは必聴!共演の面々はいずれも他の音源でも共演している“お仲間”と言った感じだが、私の大好きな美声バス・アリエの騎士長との対決が楽しめるのはこれだけ。アリエはごりごりと亡霊っぽさを押し出すわけではなく、淡々と歌うことで騎士長の存在感を増していると思う。この2人に名手中の名手エーデルマンのレポレロが絡む地獄墜ちは、やはりハイライトと言って良いだろう。

・西国王フィリッポ2世(G.F.F.ヴェルディ『ドン・カルロ』)
ヴォットー指揮/ロ=フォレーゼ、チェルケッティ、バスティアニーニ、バルビエーリ、ネーリ共演/フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団&合唱団/1956年録音
>棄てがたい部分もありつつ難も多い録音。とはいえシエピはいい、ギャウロフが老齢の王を思わせるのに対し、シエピの描くフィリッポはより若々しい、壮年の男の苦悩は、私のイメージするフィリッポとは違うけれども、これはこれで素晴らしいの一言。“独り寂しく眠ろう”を全編あくまでしっとりと嘆きながら感興を引き出すなんて言うのは、やはり常人のなせる業ではないと思う。そして史上最強の宗教裁判長ネーリとシエピの対決が聴けるというのも大変魅力的!大迫力で思わず聴き入ってしまう。それからエリザベッタをなじる場面の迫力も、この人がここまで崩すのか、と思わず息を呑む出来。但し、音質はかなり悪いし、異端者火刑の場がなんだかしらないがやたらアンサンブルが崩壊してる(^^;あとここでのバルビエーリはちょっと期待はずれです。

・メフィストーフェレ(A.ボーイト『メフィストーフェレ』)
セラフィン指揮/デル=モナコ、テバルディ共演/聖チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団/1958年録音
>これも名盤でしょう。私のお気に入りの悪魔役ですが、必要以上におどろおどろしくするのではないスタイリッシュな悪魔の魅力を打ち出しています。角をつけて翼が生えた悪魔と言うよりは、品位ある紳士のような身なりをしてファウストに近づく悪魔、ということでメフィストにはこういうアプローチもありだと思う訳です。深くて底の見えない声が非常に魅惑的。可憐なテバルディ(実際は身の丈190cmの大女だったらしい)のマルゲリータもいいけど、個人的にはデル=モナコのファウストはいただけないかな。他の曲であればディ=ステファノよりデル=モナコが好きだけど、この曲であれば、当初の予定通りディ=ステファノにファウストをやって欲しかった…(ディ=ステファノの体調不良で流れた)。

・修道院長(G.F.F.ヴェルディ『運命の力』)
モリナーリ=プラデッリ指揮/デル=モナコ、テバルディ、バスティアニーニ、シミオナート、シエピ、コレナ共演/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団/1955年録音
>不滅の超名盤。彼の灰汁の少ない端正な声は、こうした慈悲深い役どころでも冴えます。声だけではなく歌い口も端正なので、非常に真摯で温かみのある印象になるのがいいのだと思います^^彼とデル=モナコ、テバルディが一緒で指揮がミトロプロスのライヴ録音も熱の籠った素晴らしい録音だとは思いますが、ここではひとまずより聴きやすいこちらを。けど、ミトロプロス盤は必聴です!

・マリーノ・ファリエーロ(G.ドニゼッティ『マリーノ・ファリエーロ』)
ボンコンパーニ指揮/モンテフスコ、チャンネッラ、ガルヴァニー共演/RAIミラノ交響楽団&合唱団/1976年録音
>最後はレアな演目を。一般には知られていませんが、ドニゼッティはヴェルディのやったことをほんとはやりたかったんだろうなと思わせるような内容(音楽的にも話の筋も)で、『2人のフォスカリ』や『シモン・ボッカネグラ』を思い出させます。シエピはキャリアも後半になってきたころではないかと思いますが、豊かで格調高い彼の声はここでも健在です。1幕でのモンテフスコとの男らしい重唱では、雄々しく歌われるドニゼッティの旋律美を堪能できますし、アリアも起伏のある素晴らしいもの。共演はいずれも余り現代名の知られている人ではありませんが、演奏の出来自体は文句なしです!

・メフィストフェレス(C.F.グノー『ファウスト』)2014.10.30追記
モントゥー指揮/ピアース、デロサンヘレス、メリル共演/メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団/1955年録音
>モントゥーの闊達な指揮で楽しめる録音。以外にも彼はスタジオでメフィストを録音していないのですが、これを聴くとその当たり役っぷりが実によくわかります。彼は外国人としては一番仏国らしいアプローチで、豪快でけばけばしい歌ではなく、スタイリッシュでスマートな悪魔。基本紳士的でエレガントなんだけれども見せ場の2つのアリアで下卑た悪の顔が見え隠れする匙加減が誠にお見事。ソワイエとともにこの役作りで最も成功した例と言っていいかもしれません。共演陣も素晴らしい出来。おススメです。

・ザッカリア(G.F.F.ヴェルディ『ナブッコ』)2014.10.30追記
シッパーズ指揮/マックニール、リザネク、フェルナンディ、エリアス、ジャイオッティ共演/メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団/1960年録音
>この曲はたっぷりと歌うバスの曲が多い割に、意外と伊ものらしいカンタンテでしっかりと歌われた音源が少ないので、そういう意味でも非常に嬉しいところ。堂々たる歌いぶりで冒頭のカヴァティーナから一気に物語に引き込まれます。祈りの静謐な歌、預言での憑依っぷりなど実に聴き応えがあります。マックニールとリザネクがいまひとつな上に楽譜に手が入れられていてエホバを讃える合唱が最後に来ているのもあって殆ど主役といっていい活躍です。

・ライモンド・ビデベント(G.ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』)2014.10.30追記
プリッチャード指揮/サザランド、チオーニ、メリル、デュヴァル共演/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団/1969年録音
>サザランドの有名でない方のスタジオ録音。しかしこれもメンバーの良さもあってかなりいい演奏です。シエピは恐らくライモンドのパートを伝統的なカットなく歌った最初の歌手ではないかと思いますが(それでもアリアのカバレッタは繰返しカットしてるけど)、先鞭をつけるのに充分の貫禄の歌いぶり。重厚感のあるアリアには説得力があり、ルチアでなくとも聴くものを承服させる力があります。彼やギャウロフぐらいの歌手が歌うと、この作品の本当のバランス(S,T,Br,Bそれぞれに重点が置かれている)が見えるところで、これが残っていることは本当に嬉しい。サザランドはこちらも素晴らしいですし、メリルの華のある悪役もいい。チオーニ、デュヴァルはいずれもあまり現在は聞かない人ですがこの中で埋もれない実力を感じさせます。

・バルダッサーレ(G.ドニゼッティ『ラ=ファヴォリータ』)2014.10.30追記
モリナーリ=プラデッリ指揮/クラウス、コルテス、ブルゾン共演/ジェノヴァ市立歌劇場管弦楽団&合唱団/1976年録音
>男声陣が見事な演奏。彼とクラウス、そしてブルゾンがそれぞれ格調高い歌をうたっている聴き応えのあるライヴです。国王ですら恐れる高僧を演じるのには、やはりこれぐらいの存在感が欲しいと思わせます。またライモンドのときはルチアを説得するにしても温かみを感じさせる声と歌だった訳ですけれども、こちらはより厳しさを打ち出したそれになっているあたりは流石。国王に怒りをぶつける部分の、取り繕ってはいるものの怒気が沁み出している様子の恐ろしいこと!ピークは過ぎている筈ですが、そんなことを忘れさせるパフォーマンスです。

・アルヴィーゼ・バドエロ(A.ポンキエッリ『ジョコンダ』)2014.10.30追記
ガヴァッツェーニ指揮/チェルケッティ、デル=モナコ、バスティアニーニ、シミオナート共演/フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団&合唱団/1957年録音
>超名盤。綺羅星のような共演陣とガヴァッツェーニの心得た指揮ですから悪い筈もなく^^アルヴィーゼは意外と出番が少ないものの、この物語中の権力者であり或意味黒幕でもありますから、力量のある人にやって欲しいところ。そういう意味でやはりシエピは間違いない。この品格の高さ!まさしく堂々たる登場の一声からその渋い音色に魅せられますが、やはりここでも嫉妬と侮辱に怒り狂うアリアがBravo!

・アルキバルド(I.モンテメッツィ『三王の戀』)2014.10.30追記
サンティ指揮/モッフォ、ドミンゴ、エルヴィラ、デイヴィース、ベインブリッジ共演/LSO/1976年録音
>これもかなり衰えてからの録音ではあるのですが、息子の妻に横恋慕する盲目の先王という役どころからして、この時期の彼にしか歌えないものだと言っていいのでは。確かにアリアの最後の音など流石にきつくなってきてはいるのですが、その声の持つ品の良さ、歌の柄の良さは健在。最後の部分など彼のスタジオの中ではかなり珍しいぐらいの崩しを入れたり、普段の端正さに加えて演劇的な凄さを感じさせます。珍しいオペラだけにこの人の主演で聴けるのはありがたい。指揮と共演陣もレベルが高いですが、特に豊麗なドミンゴが◎

・ドン・バジリオ(G.ロッシーニ『セビリャの理髪師』)2014.10.30追記
エレーデ指揮/ミスチャーノ、バスティアニーニ、シミオナート、コレナ共演/フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団&合唱団/1956年録音
>世では名盤とされてはいるものの個人的には好きになれない(だってヴェルディの顔でロジーナやフィガロ歌われても…コレナもここではいまひとつノってないし)のですが、バジリオだけは評価できるかと。ここでの歌唱は、殊更狙って出している訳でもないと思うのですが、非常に声の奥行きの深さを感じます。そのためか、大抵はそのこけおどし的なところが面白い訳ですけど、陰口のアリアなんか相当おっかないこと言ってるんですよというのを感じさせるような歌唱になっているように思えます。悪魔的なバジリオと言いますか。

・スパラフチレ(G.F.F.ヴェルディ『リゴレット』)2014.10.30追記
エレーデ指揮/プロッティ、デル=モナコ、ギュ―デン、シミオナート、コレナ共演/ローマ聖チェチリア音楽院管弦楽団&合唱団/1954年録音
>こんな小さい役もスタジオ録音で残しているんだあという感じで、如何にも役不足ではあるのですが。とは言え彼はこの役でデビューしていますし(18歳で!)、完成度の高い歌唱を展開しています。何と言ってもそのドスの効いた雰囲気!彼らしいダークな声を最大限活用していると言っていいのでは。ネーリのような破壊力のある路線とはまた違いますが、マフィアのような、殺しの玄人といった風情がたまりません。コレナと声のキャラクターの違いがしっかり出ているのもいい(もちろんコレナもここでは生真面目にセリアを演じています)。平均点は高いですが、やはり生硬なギュ―デンが浮いています。デル=モナコは全くキャラではありませんが、これはこれで面白いからいいのではw

・ドシフェイ(М.П.ムソルグスキー『ホヴァンシナ』)2014.10.30追記
レイコヴィッチ指揮/ギャウロフ、ルケッティ、シュピース、ニムスゲルン、コッソット、スリオティス、シゲーレ共演/RAIローマ管弦楽団&合唱団/1973年録音
>これは完ッ全にイロモノです。なんせ露国の気風の塊のようなこの演目を伊語でローマで上演しているのですからwwwスタイル的には明らかにおかしいところも多いとはいえ、これだけのメンバーを揃えていますから、結構こういうものとして楽しめるところがあります。バス歌手ファンとしては何と言ってもシエピとギャウロフの対決が楽しめると言うのが、実は最大の聴きどころかもしれません。ギャウロフの演じる荒々しい軍人実力者に対し、彼は非常に静謐で厳かな宗教指導者像を作り上げていて、そのコントラストが素晴らしいです。この2人の対決に更に性格的でもあり力強くもあるルーマニアの名手シュピースが絡んできて、政治的でキナ臭い、緊張感の高い場面を構成しています。また、終幕の祈りでは荘厳で敬虔な雰囲気、この後に展開される殺戮と相対すような静的な空気を湛えていて、こちらもお見事。異端ではありますが、バス歌手好きには是非聴いて欲しい音源です。
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