Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から~第13回/水晶~

内容を改めて再掲しました。(2013.3.21)
このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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水晶
Crystal
(日本館3階鉱物室周辺)
130217_1537~01
ご存じのとおり最もポピュラーな鉱物ですが、ヒトとの繋がりも古く、初心者から上級者まで鉱物ファンを普く魅了しています。その結晶の簡潔な美しさや、色・形のヴァリエーションの豊富さが多くの人の心を捕えるのでしょう。
はてさてその正体は?といえばSiO2、即ち石英です。さまざまな姿かたちをしていますが、水晶はすべて石英の結晶です。
今回は鉱物室の周りにある水晶を何点か。

まずは上の写真の煙水晶。
これはガラスケースの外に出してあり、触ることができます。「え?触って大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、水晶は硬い部類の鉱物なので大丈夫です。但し、鉱物にも硬いものとやわらかいものがあるので、なんでんかんでん触って大丈夫ではないのでご注意を。
触ってみると柱面に水平にたくさんの条線が入っているのがわかると思います。結晶と言うとつるつるしたイメージかもしれませんが、これは水晶の特徴です。触れない小さな標本でもそうなっているので、ご覧になってみては。
また少しひんやりと感じられますが、これは水晶の熱伝導率が高く、体温を奪っていくからです。こうした冷たいイメージがあるからでしょう、古代ギリシャでは水晶は岩の中で氷が石に化したものと考えられ、氷を意味するギリシア語(krystallos)から英語のcrystalと言う語は生まれ他と言われています。
いずれにせよ、是非実際の展示室で観て、触ってみてください。

130217_1538~01
こちらは紫水晶(アメシスト)。
実物をよく見てみると、紫色の濃いところと薄いところがあります。
実はこの紫水晶も上の煙水晶も、鉱物自体を形作っているSiやOが発色の原因となっている訳ではありません。僅かに含まれる不純物(紫水晶の場合は鉄が、煙水晶の場合はアルミニウム)が、天然の放射線の影響を受けて発色していると言われています。ですので場合によっては、この標本のようにちょっと斑だったり、ということもあるのです。写真だとちょっとわかりづらいので、是非これも本物を(笑)
鉱物自体を作っている元素が発色の原因ではないので、粉々にしていくと次第に色がなくなって、終いには普通の水晶と同様無色になってしまい、顔料にはなりません。また、加熱処理すると紫水晶だったものがなんと黄水晶(シトリン)になってしまいます。

130217_1538~02
こちらは日本式双晶と呼ばれている水晶。
大抵の場合平板状になった2つの水晶が約84°34′の角度で接合しており、ハート型に見えることもあってか人気が高いです。この標本も結構大きいので良く見ると条線が見えます^^
山梨県などが有名産地ですが比較的珍しくない形なのだそうで、「日本」という名前を冠しているのも、たまたま明治期に独国の学者が日本産の標本をもとに研究したからなのだとか。かはくの鉱物室の周辺でも大きいのと小さいのとひとつずつ展示してあります。

<参考>
・鉱物と宝石の魅力 つくられかたから性質の違い、日本で取れる鉱物まで/松原聰、宮脇律郎著/ソフトバンク・クリエイティブ/2007
・たのしい鉱物と宝石の博学事典/堀秀道編著/日本実業出版社/1999
・楽しい鉱物図鑑/堀秀道著/草思社/1992
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