Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から~第14回/アンビュロケトゥス~

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

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アンビュロケトゥス
Ambulocetus natans
(地球館地下2階)
130330_1633~01

四肢しっかりありますが、クジラの先祖です。
こうして肢があるといっても陸上の生活が達者だった訳ではなく(陸上ではトドのように動いていたとか)、基本的には海の生活に適応した生き物であったと考えられています。ただしこいつら、かなりの変わり者。

130330_1633~02
「目の穴と鼻の穴はどこでしょう?」と訊いてあてられる人はかなり少なそうです(^^;
一見すると、つい後ろの大きな穴が目の穴だと思ってしまいがちですが、実は目の穴は手前の小さな窪み。鼻の穴は予想どおりの位置にあります(笑)
そうして見てみると、顔のバランスの中で目鼻の位置がかなり上の方にあるのがわかりますか?これは彼らが水から目鼻を出して陸上の様子を窺い、獲物を待ち伏せしていたからではないかと考えられています。

これ、結構大きなことです。
一般的なイメージで行くなら、「恐竜の時代に海の中で生きていた大型爬虫類が絶滅し、生態系のトップが空いたところにクジラの仲間が進化してきた」という筋書きがあると思うのですが、実は彼らはその筋書きを覆してしまう存在なのです。というのは、もしそのとおりだったとするのであれば、クジラの仲間は最初から大型の魚や海の動物を食べる、生態系のトップとなるものだけが進化したはずだからです。しかし、上記のとおりアンビュロケトゥスはその特徴から見る限り、海中生態系のトップを目指す進化からは全く外れ、獲物を陸上に求めたと考えられています。
進化というと「Aという生き物がBへと進歩する」という一本道のイメージがありますが、実際にはそうではなく「Aという生き物がBにもCにもDにも変化する」というような、さまざまに枝分かれをした道のイメージの方が、より正しいと言えます。そのうちたまたま現在生き残ったBとその祖先Aを見て、つい一本道のイメージで捉えてしまうのですが、進化はもっと複雑な現象なのです。

130330_1634~01
これは頸から背中にかけての背中側の突起の写真ですが、全般的に高さが低くなっています。
ここには頭を支える筋肉がつくので、高いほどその筋肉がたくさんついているということになりますが、彼らは大きな頭を持っている割にそんなに発達していません。彼らは水に依存した生活であったので、浮力で頭を支える時間が長かったからではないかと考えられています。
130330_1635~01
参考にジャイアント・バイソンBison latifronsの写真。巨大な頭を支えるための突起が非常に発達しているのがわかると思います。

<参考>
新版絶滅哺乳類図鑑/冨田幸光:文/伊藤丙雄・岡本泰子:イラスト/丸善株式会社/2011
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かはく | コメント:4 | トラックバック:0 |
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コメント

あの図体でカピバラが耳・目・鼻が一直線になってて泳ぎが得意というのは昔知ったとき意外だった思い出
2013-03-31 Sun 12:48 | URL | silverfox [ 編集 ]
耳骨とか舌骨も鯨っぽい特徴があるんでしたっけ
2013-04-01 Mon 12:33 | URL | [ 編集 ]
あいつらもカバさんみたいな暮らしだしね~だから、あのカピバラさんは割とカピバラの顔ではない気がする笑。
2013-04-02 Tue 12:22 | URL | Basilio [ 編集 ]
耳骨はたぶんそうだと思います。舌骨は…ちょっと自信がないっす(^^;ドルドン、バシロサウルスは間違いないと思うのですが。
2013-04-02 Tue 12:24 | URL | Basilio [ 編集 ]

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