Don Basilio, o il finto Signor

ドン・バジリオ、または偽りの殿様

かはくの展示から~第16回/タヌキ~

このblogは国立科学博物館の公式見解ではなくファンの個人ページですので、その点についてはご留意ください。

********************************
タヌキ
Nyctereutes procyonoides
(地球館3階)
130420_1109~01
「この動物、知ってますか?」
と訊いて、
「タヌキ!」
答えられる人が意外と少ないのは、ちょっとさびしいです。
何しろタヌキは、日本が世界に誇る珍獣なのですから。

まずタヌキがこれだけ身近な動物なのは日本ぐらいであるということがあります。欧米の人たちは、まずタヌキを知りません。
ここでちょっと英語のお勉強。イヌは?もちろんdog、ネコは?catですね、ゾウは?elephant!トラは?tiger、キツネは?foxに決まってます。じゃあタヌキは…?私がこれを訊いて答えられた来館者はいままで1人だけでした。raccoon dog或いはraccoon-like dogと言います。単語が2つな時点であんま身近じゃない感じがしますが、raccoonというのはアライグマと言う意味で、日本で言うならさしずめアライグマイヌだとかアライグマモドキイヌといったところでしょうか。もうまったく身近じゃない(笑)
そう思って考えてみると海外の童話やアニメでタヌキって出てこないでしょう?ディズニーが"the clacking mountain ~KATIKATI-YAMA~"とか作ったら別ですがね(笑)
要するにどういうことかと言うと、タヌキの生息域は世界でも東アジアに限られるのです。なかでも日本においてはばっちり文化になじんでいます。まったく個人的な推測ですが、里山や農業がそのあたりのキーワードになってくるのではないでしょうか。

130420_1108~01
タヌキが何の仲間かと言うと、実はイヌの仲間です。
イヌの仲間と言えばオオカミ、キツネ、コヨーテなど脚が長くていかにも身軽でスラッとした狩人というような体形をしていますが、タヌキはご覧のとおり脚は短く胴が長く、日本人がシンパシーを感じやすい体形をしております笑。但し、一般的にイメージにあるような丸顔でお腹の出た信楽焼のような姿では全くありません。顔そのものは意外とシュッとしており、確かにイヌっぽいです。
ちなみにこのタヌキの剥製は触れる標本となっているので、目で見るだけではなく実際に触って彼らの体形や触り心地などを感じることができます。これはぜひかはくに足を運んで体験してみてください。
さて実はタヌキは現在生き残っているイヌの仲間でも最も古い時代の姿を残していると考えられています。イヌの仲間は元来は森林性だったものが、草原での生活に適応していき、所謂オオカミのような姿に進化していったと言われていますが、そんななかでタヌキは森林での生活を維持したため、先祖の姿のまま現在まで至っているのでしょう。染色体の本数も68本と、イヌの仲間で最少だとか。
そういう意味でもタヌキは世界の珍獣なのです。

130420_1108~02
そんなタヌキ、かはくの展示の中でも一目置かれた存在になっています。
いまや単なる“わが子のための写真スポット”のようになっている写真の展示ですが、これはもともとそんな意図ではなく、タヌキの目線を体験する展示なのです。このドームから周りを見渡すと獣道がなるほど道なのだということがよくわかりますし、周りの植物の高さやイノシシの大きさなどを体験することができるのです。これは是非かはくに来て観てみてください!
子供がたくさん並んでいたり、その子供の写真を撮るのに夢中な親がたくさんいたりしますが、どうぞそんなことには気兼ねすることなく、大人の方にこそ楽しんでいただきたいと思います。

<参考>
世界珍獣図鑑/今泉忠明著/桜桃書房/2000
スポンサーサイト

かはく | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<ホウボウ | ホーム | Desmostylus>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |